- Q.インプラントとはどのような治療ですか?
- A.インプラント治療とは、歯を失った部分の顎の骨に人工歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工の歯を装着して噛む機能や見た目を回復する治療法です。
インプラントは、「人工歯根」「連結部分(アバットメント)」「人工歯」の3つのパーツで構成されており、失った歯を歯根部分から補うことができます。顎の骨と人工歯根がしっかり結合することで安定感があり、ご自身の歯に近い感覚で食事や会話を楽しめることが期待できます。
また、入れ歯やブリッジと異なり、周囲の歯に金具をかけたり、健康な歯を大きく削ったりする必要がないため、残っている歯への負担を抑えられることも大きな特徴です。
適切なセルフケアと定期的なメンテナンスを続けることで、長期間使用できる可能性があるため、歯を失った際の治療法の一つとして多くの方に選ばれています。
- Q.インプラント治療は誰でも受けられますか?
- A.インプラントは多くの方に適応できる治療法ですが、すべての方が受けられるわけではありません。顎の骨の状態や全身の健康状態、お口の中の環境などを確認した上で、治療が可能かどうかを判断します。
顎の骨の量が不足している場合でも、骨を増やす治療を併用することでインプラントが可能になるケースがあります。また、糖尿病や高血圧などの持病がある方でも、病状によっては治療を受けられることもあるのです。
一方で、重度の歯周病がある場合は、まず歯周病の治療を優先します。また、喫煙習慣はインプラントに悪影響を及ぼす恐れがあるため、禁煙や本数を減らすことをご提案する場合もあります。
- Q.インプラントの手術は痛いですか?
- A.インプラント治療では、外科手術を伴います。「外科手術」と聞くと痛みを心配される方も多くいらっしゃいますが、インプラント手術は局所麻酔を行ってから進めるため、手術中に強い痛みを感じることはほとんどありません。
手術後に麻酔が切れると、痛みや腫れが出ることがありますが、処方された痛み止めでコントロールできることも多く、個人差がありますが、通常は数日から1週間程度で落ち着いていきます。
不安感が強い方には、ウトウトしている間に治療を受けられる「静脈内鎮静法」をご提案することもあります。
- Q.インプラント治療にはどのくらいの期間がかかりますか?
- A.インプラント治療にかかる期間は、お口の状態や治療内容によって異なりますが、一般的には数ヶ月以上に及びます。
まず、精密検査や治療計画の立案を行った後、インプラント体を顎の骨に埋め込む手術を行います。その後、インプラント体と骨がしっかり結合するまで一定期間待ち、十分に安定したことを確認してから人工歯を装着するのが治療の流れです。
また、抜歯が必要な場合や、骨を増やす治療を併用する場合は、さらに治療期間が延びることがあります。
- Q.インプラントはどのくらい長持ちしますか?
- A.インプラントは適切な治療と、その後のメンテナンスを継続することで、長期間使用できることが期待される治療法です。ただし、お口の状態や生活習慣、日頃のセルフケアによって寿命は大きく左右されます。
インプラントは虫歯になることはありませんが、歯周病に似た「インプラント周囲炎」という病気になることがあります。インプラント周囲炎が進行すると、インプラントを支える骨が失われ、インプラントが不安定になる恐れがあるため注意が必要です。
長く快適に使い続けるためには、毎日の丁寧な歯磨きに加え、歯科医院での定期的なメンテナンスが欠かせません。定期的にかみ合わせの確認やクリーニングを受けることで、トラブルを早期に発見し、インプラントを長く快適にお使いいただくことができます。
- Q.インプラント手術後はいつから食事ができますか?
- A.インプラント手術後は、麻酔が完全に切れてから食事をするようにしましょう。麻酔が効いている間は感覚が鈍くなっているため、誤って頬や唇を噛んでしまったり、熱い飲み物でやけどをしたりする可能性があります。
手術当日は、おかゆやうどん、スープなどのやわらかい食事がおすすめです。また、手術した部位とは反対側で噛むようにすると、患部への負担を軽減できます。
数日間は硬い食べ物や粘着性のある食品、刺激の強い香辛料を多く使った料理はできるだけ避けましょう。また、飲酒は出血や腫れの原因となる可能性があるため、手術当日は控えていただくことをおすすめしています。
- Q.インプラント治療後に気を付けることはありますか?
- A.インプラントを長く快適に使用するためには、治療後のセルフケアと定期的なメンテナンスが大切です。
手術直後は、患部を強く触ったり、激しいうがいを繰り返したりすると、傷口の治りを妨げることがあります。また、飲酒や喫煙、激しい運動は出血や腫れが強くなる原因となるため、歯科医師の指示がある期間は控えましょう。
人工歯が装着された後も、毎日の歯磨きを丁寧に行い、デンタルフロスや歯間ブラシなども活用して、お口の中を清潔に保つことが大切です。
毎日のセルフケアと併用して、定期検診も必要です。かみ合わせの確認やクリーニング、インプラント周囲の状態をチェックすることで、トラブルの早期発見・早期対応につながります。
- Q.インプラントはどのくらい噛めるようになりますか?
- A.インプラントは顎の骨にしっかり固定されるため、ご自身の歯に近い感覚で噛めることが期待できる治療法です。
入れ歯では「硬いものが噛みにくい」「食事中にズレてしまう」と感じる方もいらっしゃいますが、インプラントはしっかり固定されるため、そのような違和感が少なく、食事を楽しみやすくなります。
もちろん、天然歯と全く同じというわけではありませんが、「以前よりしっかり噛めるようになった」「食事が楽しくなった」と感じる方も多くいらっしゃいます。
ただし、人工歯を装着した直後から何でも自由に食べられるわけではありません。少しずつ元の食事に戻し、段階的に進めることが大切です。
- Q.インプラントは1本だけでも治療できますか?
- A.インプラントは歯を1本失った場合から、複数本失った場合、すべての歯を失った場合まで、お口の状態に合わせて治療を行うことができます。
インプラント治療では、ブリッジ治療のように、隣の健康な歯を大きく削る必要がないため、周囲の歯への負担を抑えられます。
複数本の歯を失った場合や、すべての歯を失った場合でも、お口の状態に応じてインプラントを用いた治療が可能です。治療方法は失った歯の本数や顎の骨の状態によって異なり、必要に応じて数本のインプラントで人工歯を支える方法などをご提案することもあります。
- Q.歯を失ってから時間が経過していてもインプラントはできますか?
- A.歯を失ってから長い年月が経過していても、インプラント治療が可能なケースは少なくありません。
ただし、歯を失った部分は時間の経過とともに顎の骨が少しずつ痩せていくことがあります。骨の量や厚みが不足している場合は、骨を増やすための治療(骨造成)を行うことで、インプラント治療が可能になるケースがあります。
まずは、CTなどによる精密検査で顎の骨の状態を確認することが大切です。
- Q.骨が少ないと言われましたが、インプラントはできますか?
- A.「顎の骨が少ないのでインプラントは難しい」といわれたことがある方でも、治療を受けられる可能性があります。
インプラントは顎の骨に人工歯根を埋め込むため、十分な骨の量や厚みが必要です。
歯を失ってから時間が経過している場合や、重度の歯周病などが原因で骨が痩せてしまっている場合には、骨造成(こつぞうせい)と呼ばれる、骨を増やすための治療を行うことでインプラントが可能になるケースがあります。
骨造成にはいくつかの方法があり、お口の状態に合わせて適した方法を選択することが大切です。
GBR(骨誘導再生法)は、骨が不足している部分に人工骨などの骨補填材を入れ、特殊な膜で覆って骨の再生を促す方法です。
上顎の奥歯で骨の高さが不足している場合には、上顎の粘膜を持ち上げてできたスペースに骨を造成する「サイナスリフト」や、インプラントを埋め込む部分から粘膜を少し持ち上げて骨を補う「ソケットリフト」を行うことがあります。
- Q.糖尿病や高血圧があってもインプラント治療は受けられますか?
- A.糖尿病や高血圧などの持病がある方でも、病状が安定していればインプラント治療を受けられる場合があります。
糖尿病では、血糖値のコントロールが不十分な状態だと傷の治りが遅くなったり、感染のリスクが高くなったりすることがあります。また、血圧が十分に管理されていない状態では、手術時のリスクが高まる可能性があるため、注意が必要です。
インプラント治療を行う際には、全身の健康状態を把握することが重要です。必要に応じて現在服用しているお薬や治療状況を確認し、かかりつけ医と連携しながら治療を進めます。
- Q.喫煙していますが、インプラント治療はできますか?
- A.喫煙されている方でもインプラント治療を受けられる場合はありますが、喫煙されない方と比べると注意が必要です。
タバコに含まれるニコチンには血流を悪くする作用があり、手術後の傷の治りを遅らせたり、インプラントと骨が結合するのを妨げたりする可能性があります。また、インプラント周囲炎のリスクも高くなることが知られています。
インプラントを長持ちさせるためには、禁煙または本数を減らすことが望ましいとされていて、特に手術の前後は、できるだけ喫煙を控えていただくことが大切です。
- Q.インプラントができない人はいますか?
- A.インプラントは多くの方に適応できる治療法ですが、お口や全身の状態によっては治療が難しい場合もあります。
重度の歯周病がある方は、まず歯周病の治療を優先する必要があります。また、顎の骨が極端に少ない場合は、追加の処置が必要です。
糖尿病などの全身疾患が十分にコントロールされていない場合は、すぐに治療を行えないことがあります。
また、成長途中のお子さまは顎の骨が発育中であるため、一般的にはインプラント治療の対象にはなりません。
- Q.インプラントと天然歯ではお手入れ方法は違いますか?
- A.インプラントは人工の歯なので虫歯になることはありませんが、天然の歯と同じように丁寧なセルフケアが大切です。
インプラント治療後に注意したいのが「インプラント周囲炎」です。インプラント周囲炎は、インプラントの周囲に細菌が繁殖して炎症が起こる病気で、進行するとインプラントを支えている骨が失われ、最終的にインプラントが抜け落ちてしまうこともあります。
予防のためには、毎日の歯磨きに加え、歯間ブラシやデンタルフロスなどを使って、インプラントと歯ぐきの境目までしっかり清掃することが重要です。また、かみ合わせの変化やネジのゆるみなどはご自身では気付きにくいため、定期的に歯科医院でチェックを受けることが必要です。
- Q.インプラントも虫歯になりますか?
- A.インプラントは、顎の骨に埋める「インプラント体」も上部に装着する「人工歯」も人工的に作られたものですので、天然の歯のように虫歯になることはありません。ただし、「虫歯にならないからお手入れは不要」というわけではなく、毎日のセルフケアや定期的なメンテナンスは欠かせません。
インプラントで注意したいのが、「インプラント周囲炎」という病気です。これは、歯周病とよく似た病気で、インプラントの周囲に細菌が繁殖して歯ぐきに炎症が起こり、進行するとインプラントを支える顎の骨が溶けてしまうことがあります。重症化するとインプラントがぐらついたり、最終的には抜け落ちてしまったりすることもあるため、適切なケアで予防することが大切です。
毎日の歯磨きや歯間ブラシ・デンタルフロスによるケアと併用して、歯科医院で定期的にクリーニングやかみ合わせのチェックを受けることで、インプラント周囲炎の予防につながります。
- Q.インプラントがグラグラすることはありますか?
- A.適切に治療が行われ、定期的なメンテナンスを受けているインプラントは、簡単にグラグラすることはありません。しかし、何らかの原因によって動揺が生じることがあります。
原因として多いのは、インプラント周囲炎によって顎の骨が失われるケースです。また、人工歯を固定しているネジのゆるみや、強い歯ぎしり・食いしばりによって人工歯の部分が動いている場合もあります。
「少し違和感がある」「噛むと浮くような感じがする」「以前より動く気がする」と感じた場合は、そのまま様子を見るのではなく、早めに歯科医院を受診することが大切です。
- Q.インプラントが外れたり壊れたりすることはありますか?
- A.インプラントは丈夫な素材で作られていますが、長年使用しているうちに人工歯が欠けたり、ネジがゆるんだりすることがあります。
人工歯の欠けやネジのゆるみがあっても、インプラント治療そのものをやり直さなければならないとは限りません。状態によっては人工歯だけを修理・交換したり、ネジを締め直したりすることで対応できる場合もあります。
また、強い衝撃や歯ぎしり・食いしばりなどによって負担がかかり続けると、トラブルが起こる可能性もあります。
違和感や噛みにくさ、人工歯の欠けなどに気付いた場合は、ご自身で無理に触ったりせず、できるだけ早く歯科医院へご相談ください。
- Q.インプラントは医療費控除の対象になりますか?
- A.インプラント治療は、自由診療の治療です。
治療費用は基本的に全額負担となりますが、インプラント治療は失った歯の機能を回復することを目的とした治療であるため、一般的には医療費控除の対象となります。
医療費控除とは、1年間(1月1日から12月31日まで)に支払った医療費が一定額を超えた場合に、確定申告を行うことで支払った所得税や住民税の一部が返ってくる制度です。インプラント治療費だけでなく、通院のために利用した公共交通機関の交通費なども対象となる場合があります。
医療費控除を申請する際には、領収書や医療費の明細書などが必要になる場合もありますので、大切に保管しておきましょう。
- Q.インプラントについて相談だけでもできますか?
- A.「インプラントに興味はあるけれど、自分に合っているかわからない」「入れ歯やブリッジと迷っている」「まずは話だけ聞いてみたい」という方も、お気軽にご相談ください。
インプラントはメンテナンス次第では長くお使いいただけるからこそ、十分に納得した上で治療を始めることが大切です。カウンセリングでは、お口のお悩みやご要望をおうかがいし、お口の状態を確認した上で、治療方法や期間、メリット・デメリットなどをわかりやすくご説明します。
患者様によっては、インプラント以外の治療法が適している場合もあります。
当院では、無理にインプラントをおすすめするのではなく、入れ歯やブリッジなども含め、それぞれの特徴をご説明し、患者様に合った治療法を一緒に考えていきますので、気になることや不安なことがありましたら、遠慮なくご相談ください。
- Q.歯根破折で再植とインプラントの場合、どちらの方が長く持ちますか?
- A.一概にどちらが長く持つとはいえません。歯根破折した歯を再植して保存できる場合もありますが、破折の位置や範囲によって予後は大きく異なるため、長期的な予測性を考えてインプラントを選択した方がよい場合もあります。
歯根破折では一般的に抜歯が選択されることが多いですが、破折の状態によっては、歯を一度抜いて口腔外で処置を行い、元の位置に戻す「意図的再植」などによって保存を試みる方法があります。
ただし、再植した歯には再破折、歯根吸収、癒着、歯周組織の問題などが生じる可能性があります。一方、インプラントにもインプラント周囲炎などのリスクがあり、「インプラントにすれば一生持つ」というわけではありません。
そのため当院では、残せる可能性がある天然歯をすぐに抜歯するのではなく、その歯を保存する価値と予後を評価したうえで、保存治療とインプラントのどちらが長期的に適しているかを判断します。
- Q.矯正で親知らずを動かして歯として使う方法とインプラントでは、どちらがいいですか?
- A.親知らずを矯正治療で移動させて失った奥歯の代わりに使用できる場合には、インプラントを入れずに自分の歯で噛み合わせを回復できる可能性があります。
例えば第一大臼歯や第二大臼歯を失った場合、その後方に状態の良い親知らずがあれば、矯正治療によって親知らずを前方へ移動させる方法を検討できることがあります。
天然歯には歯根膜が存在し、矯正移動ができることに加え、周囲の骨や歯肉とともに生体の一部として機能するという特徴があります。そのため、条件が良ければ親知らずを利用することには大きなメリットがあります。
一方で、親知らずの位置や傾斜、歯根の形態、移動させる距離、年齢、歯周組織の状態などによっては、矯正移動が難しい場合があります。
「歯がない場所=すぐにインプラント」と考えるのではなく、利用できる天然歯が残っていないかを含めて治療計画を立てることが大切です。
- Q.歯の移植とインプラントでは、どちらが長く持ちますか?
- A.歯の移植とインプラントは適応条件が異なるため、単純に寿命だけで比較することはできません。条件の良い移植歯がある場合には、自分の歯を利用できることが大きなメリットになります。
歯の移植(自家歯牙移植)は、主に親知らずなどの自分の歯を、歯を失った場所へ移植する治療です。
移植が成功すると歯根の周囲に歯根膜が存在するため、天然歯に近い状態で機能します。また、条件によっては移植後に矯正治療で歯を移動させることもできます。
一方で、移植できる歯が必要であり、移植する歯の歯根形態、受け入れる部位の骨の状態、抜歯時の歯根膜への損傷などによって予後が左右されます。
インプラントは移植できる歯がない場合にも適応でき、長期的な治療成績について多くの研究があります。
そのため、移植に適した歯がある場合には自家歯牙移植を選択肢として検討し、適応が難しい場合にはインプラントを検討するという考え方が重要です。
- Q.歯が割れたまま放置すると、どのようなことが起こりますか?
- A.割れた歯をそのままにすると、亀裂から細菌が侵入して歯の内部や周囲の骨に感染が広がり、最終的に歯を残せなくなることがあります。
歯の亀裂は自然に元へ戻ることはありません。
初期には噛んだときの痛みや冷たいものへの違和感程度でも、亀裂が深くなると歯髄炎や根尖性歯周炎を起こすことがあります。さらに歯根まで破折すると、破折線に沿って細菌感染が進み、歯周ポケットの形成や周囲の歯槽骨の吸収を生じる場合があります。
ただし、「歯が割れた=必ず抜歯」ではありません。
亀裂の位置や深さによっては、被せ物や根管治療などによって保存できる場合があります。一方、歯根深くまで完全に破折している場合には抜歯が必要になることがあります。
将来的にインプラントや移植を行う場合にも周囲の骨をできるだけ残しておくことが重要なため、割れた可能性がある歯は放置せず、早めに破折の範囲を診断することが大切です。
- Q.矯正とインプラントでは、どちらを先にすればいいですか?
- A.一般的には、最終的な歯並びと噛み合わせを決めてからインプラントの位置を決定するため、矯正治療を先に行うことが多くなります。
天然歯は矯正治療によって移動できますが、骨と結合したインプラントは基本的に矯正治療で移動させることができません。
そのため、先にインプラントを埋入すると、その位置がその後の矯正治療を制限してしまう場合があります。
一方で、症例によってはインプラント治療を矯正治療と並行して行ったり、治療計画上必要な位置に先にインプラントを埋入したりする場合もあります。
重要なのは治療の順番そのものではなく、最初に「最終的にどの位置に歯を並べ、どのような噛み合わせにするか」を決め、そのゴールから逆算して矯正とインプラントの順序を決めることです。
- Q.治療するところがたくさんあります。どこから治療すればいいですか?
- A.治療する歯が多い場合は、痛いところから順番に治すだけではなく、口腔全体の最終的な噛み合わせを考えて治療の順序を決めることが重要です。
多数のむし歯、歯周病、欠損、噛み合わせの問題などが同時に存在する場合、一つずつ個別に治療すると、後から矯正やインプラントが必要になった際に、先に行った治療をやり直さなければならないことがあります。
そのため当院では、必要に応じて歯、歯周組織、骨、噛み合わせなどを総合的に検査し、
①痛みや感染など緊急性の高い問題
②歯周病やむし歯など病気のコントロール
③保存できる歯と抜歯が必要な歯の判断
④矯正・インプラントを含めた歯の位置の決定
⑤最終的な被せ物や噛み合わせの構築
というように、最終的な治療結果から逆算して治療計画を立てます。
治療箇所が多いほど、「どの歯を治すか」だけではなく「どの順番で治すか」が重要になります。
- Q.上の奥歯のインプラントは骨が弱いので長く持たないと言われましたが、本当ですか?
- A.上顎の奥歯は骨質が比較的軟らかいことがありますが、それだけを理由にインプラントが長く持たないとはいえません。
上顎臼歯部は下顎と比較して骨密度が低いことがあり、さらに上顎洞が存在するため、インプラント治療の難易度が高くなることがあります。
しかし、インプラントの長期安定性は骨質だけで決まるものではありません。
残っている骨の量、インプラントの初期固定、インプラントの位置やサイズ、噛み合わせ、歯周病の状態、喫煙、清掃状態、メインテナンスなど、多くの要因が関係します。
骨量が不足している場合でも、症例に応じて上顎洞底挙上術などを行うことでインプラント治療が可能になる場合があります。
したがって、「上の奥歯だから持たない」と判断するのではなく、CTなどを用いて骨の量と形態を評価し、適切な治療計画を立てることが重要です。
- Q.上の奥歯はもともと骨が薄いので、インプラントをしない方がいいと言われました。本当ですか?
- A.上顎の奥歯の骨が少ない場合でも、骨の状態に応じた治療方法を選択することでインプラント治療が可能になる場合があります。
上顎臼歯部では、歯を失った後の骨吸収や上顎洞の存在によって、インプラントを埋入するための骨の高さが不足していることがあります。
このような場合には、残っている骨の量に応じて、上顎洞底挙上術(サイナスフロアエレベーション)などを検討します。
また近年では、症例によって短いインプラントを使用することで、大規模な骨造成を避けられる場合もあります。
ただし、すべての骨不足症例でインプラントが適応できるわけではありません。
CTで残存骨量、骨幅、上顎洞の形態、洞粘膜の状態などを立体的に確認したうえで、インプラントが適しているかを判断する必要があります。
- Q.「抜歯してインプラントしかない」と言われました。他に方法はありませんか?
- A.インプラント以外にも、ブリッジ、入れ歯、矯正によるスペース閉鎖、自家歯牙移植などが選択肢になる場合があります。また、診断によっては歯そのものを保存できる可能性もあります。
歯を失った場合の治療方法はインプラントだけではありません。
残っている歯の状態や欠損部位によっては、ブリッジや部分入れ歯、親知らずなどを利用した自家歯牙移植、矯正治療によって周囲の歯を移動させてスペースを閉鎖する方法などがあります。
また、「抜歯が必要」と診断された歯でも、歯周病治療、根管治療、歯周組織再生療法、矯正的挺出などを組み合わせることで保存できる場合があります。
一方で、無理に歯を残すことで周囲の骨が失われたり、治療を繰り返した結果として最終的な治療が難しくなったりすることもあります。
そのため、「インプラントをするかどうか」から考えるのではなく、まずその歯を予知性をもって保存できるかを評価し、保存が難しい場合に欠損をどの方法で補うかを検討することが大切です。
- Q.抜歯と診断されました。抜く以外に方法はありませんか?
- A.抜歯と診断された歯でも、状態によっては保存できる可能性があります。ただし、すべての歯を残すことが最善とは限りません。
抜歯と診断される原因には、重度の歯周病、歯根破折、大きなむし歯、根尖部の感染、歯根吸収などさまざまなものがあります。
原因によっては、歯周病治療や歯周組織再生療法、根管治療、外科的歯内療法、矯正的挺出などによって歯を保存できる場合があります。
一方、歯根が大きく破折している場合や、むし歯が歯根深くまで進行している場合など、保存治療を行っても長期的な予後が期待しにくいこともあります。
当院では、「抜けるか・残せるか」だけではなく、「残した歯が長期的に機能できるか」という視点から保存の可能性を評価することを重視しています。
- Q.インプラントのメーカーはどこがいいですか?
- A.インプラントはメーカー名だけで良し悪しを判断するのではなく、長期的な臨床データがあり、将来も部品供給やメインテナンスを受けやすいシステムを選ぶことが重要です。
現在は世界中に多数のインプラントメーカーがあり、それぞれインプラント表面、形状、接続方式などに違いがあります。
一方で、インプラント治療の長期予後はメーカーだけで決まるものではありません。
診断、埋入位置、周囲骨・歯肉の状態、補綴物の設計、噛み合わせ、歯周病のコントロール、患者さん自身の清掃、定期的なメインテナンスなどが長期安定性に大きく関係します。
またインプラントは10年、20年と使用する可能性があるため、将来的にネジやアバットメントなどの部品が必要になることもあります。
そのため、十分な臨床実績があり、長期的なサポート体制が期待できるインプラントシステムを、症例に応じて適切に使用することが重要です。
- Q.眠ったままインプラント手術を受けたいのですが、可能ですか?
- A.はい。静脈内鎮静法を併用することで、眠っているようなリラックスした状態でインプラント手術を受けられる場合があります。
静脈内鎮静法は、静脈から鎮静薬を投与し、手術に対する不安や緊張を軽減する方法です。
全身麻酔とは異なり、一般的には自発呼吸を保ちながら鎮静状態で治療を行います。鎮静の程度には個人差がありますが、手術中のことをほとんど覚えていない場合もあり、歯科治療や外科手術に対する恐怖心が強い方の負担軽減につながります。
とくに、複数本のインプラント埋入や骨造成、サイナスリフトなど、手術時間が長くなることが予想される場合には、静脈内鎮静法を併用することで、よりリラックスした状態で治療を受けることができます。
ただし、静脈内鎮静法はすべての方に適応できるわけではありません。持病や服用している薬、全身状態などを事前に確認し、適応を判断する必要があります。
また、鎮静中は血圧、心拍数、血中酸素飽和度などをモニタリングしながら、全身状態を管理して手術を行います。
静脈内鎮静法を使用した当日は、ご自身で自動車や自転車を運転することはできません。 手術後は十分に休んでいただき、必要に応じてご家族などに付き添っていただくことをおすすめします。
「インプラント手術が怖い」「長時間の手術に耐えられるか不安」という方は、通常の局所麻酔だけでなく、静脈内鎮静法を併用できるか事前に相談することができます。
- Q.部分入れ歯が合いません。その部位だけインプラントにすることは可能ですか?
- A.はい。部分入れ歯を使用している部分だけをインプラントに置き換えられる場合があります。
部分入れ歯は、残っている歯に留め具をかけて使用することが一般的ですが、「動いて噛みにくい」「違和感がある」「取り外しが煩わしい」「留め具が気になる」といった理由から、インプラントを希望される方もいらっしゃいます。
インプラントは顎の骨に固定されるため、部分入れ歯とは異なり、基本的にはご自身で取り外す必要のない固定式の歯として使用できます。また、インプラントによって欠損部分を補うことで、残っている歯に入れ歯の留め具をかける必要がなくなる場合もあります。
複数の歯を失っている場合でも、失った歯と同じ本数のインプラントが必ず必要になるわけではありません。インプラントを支えとして複数の人工歯を連結するインプラントブリッジによって、欠損している歯より少ない本数のインプラントで治療できる場合があります。
ただし、インプラントが適しているかどうかは、残っている歯の状態や顎の骨の量、噛み合わせ、欠損している範囲などによって異なります。
そのため、現在の部分入れ歯が合わない場合には、入れ歯を作り直す方法だけでなく、必要な部分だけをインプラントに変更できるかを含めて治療方法を検討することができます。
- Q.インプラントを入れる本数が多いのですが、減らすことはできますか?
- A.はい。失った歯の本数と同じ数のインプラントが必要とは限らず、治療計画によってはインプラントの本数を減らせる場合があります。
例えば、歯を3本連続して失っている場合でも、症例によっては3本すべてにインプラントを埋入するのではなく、2本のインプラントを支えとして3本分の人工歯を連結する「インプラントブリッジ」を選択できることがあります。
適切な設計によってインプラントの本数を減らすことができれば、手術する範囲や身体的な負担、治療費を抑えられる可能性があります。
一方で、インプラントは単純に本数を少なくすればよいというものではありません。 本数を減らしすぎると、一つひとつのインプラントにかかる力が大きくなったり、人工歯の設計や清掃性に影響したりすることがあります。
必要な本数は、失っている歯の数だけで決まるものではなく、欠損している場所や範囲、顎の骨の状態、噛み合わせ、残っている歯の状態、最終的にどのような人工歯を装着するかまで考えて決定します。
そのため、重要なのは「できるだけ多く入れること」でも「できるだけ少なくすること」でもなく、長期的に安定した噛み合わせと清掃しやすい状態を維持できるよう、必要な本数と配置を設計することです。
多数のインプラントを提案されている場合でも、治療計画を改めて検討することで、インプラントの本数を減らせる可能性があるか確認することができます。
インプラント治療は、歯を失った部分に人工歯根を埋め込み、天然歯に近い見た目や噛み心地の回復をめざす治療法です。しっかり噛めるようになることで食事を楽しみやすくなるだけでなく、周囲の歯への負担を抑えながら、お口全体の健康維持にもつながります。また、インプラントを長く快適に使い続けるためには、毎日のセルフケアに加え、歯科医院で定期的なメンテナンスを受けることが大切です。
当院では、お口の状態や全身の健康状態、ご希望を丁寧に確認した上で、お一人おひとりに適した治療をご提案しています。歯を失ってお困りの方や、治療方法についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
上記の質問以外にも、わからないことや気になることがございましたら、どのようなことでもお気軽にケイ歯科クリニックまでご相談ください。