マウスピース型矯正装置を使用した矯正治療「インビザライン」は「目立ちにくい」といった理由から選ばれることが多いのですが、じつはすべての方に向いているというわけではありません。
もちろん、歯科医師が診断した上で、お口の状態がマウスピース型矯正装置での治療が適していることは前提ですが、条件は、それだけではないのです。
矯正治療は見た目を整えるだけでなく、かみ合わせや歯の健康まで左右する治療です。
治療中の見た目だけを重視して、ご自身に合わない治療を選択することで、望まない結果になってしまうこともあります。
今回は、インビザラインが本当に向いている方の特徴と、治療を行う上で大切なことについてお話しします。
インビザラインは、アメリカの「アライン・テクノロジー社」が開発した、マウスピース型矯正装置です。
治療に使用するマウスピースは透明で、お口に装着していても周りに気づかれにくいという特徴があります。
そのため、治療中の見た目を重視する方に選ばれることが多いのですが、治療中の見た目だけでインビザライン治療を選ぶのはあまりおすすめできません。
インビザライン治療は、ワイヤーを使った矯正治療と比べて、自己管理を継続して行う必要があります。
具体的には、
をご自身で管理していただくことが必要です。
インビザライン治療は、1日20〜22時間以上の装着が基本です。
つまり、食事と歯磨き以外のほとんどの時間です。
食事のために取り外したら、食後はすみやかに歯を磨いてから装着する必要があります。
取り外しができるというのはメリットでもありますが、装着時間が不足すると計画通りに歯が動かず、治療期間が延びてしまうこともあります。
また、取り外したときは、紛失しないように専用のケースに入れて適切に保管することも大切です。
さらに、決められたスケジュールに従って、マウスピースを次の段階のものへ忘れずに交換する必要があります。
交換時期がずれると歯の動きに影響が出ることがあります。
インビザライン治療をはじめ、矯正治療はほかの歯科治療とくらべても、長期にわたる傾向です。
長い治療期間中も、装着時間と交換スケジュールをしっかりと守れるかどうかが、治療を受ける上で大切なポイントです。
インビザライン治療は「目立ちにくさ」以外にも、さまざまなメリットがあり、次のことを重視したい方にもおすすめできる治療です。
矯正治療は、歯が予定通りに動いて、きれいに並んだ時点で終わりではありません。
動かした歯は元の位置に戻ろうとする性質があるため、「保定」と呼ばれる期間にリテーナー(保定装置)を装着し、歯並びを安定させる必要があります。
マウスピースタイプのリテーナーは、歯全体を覆うタイプで、ご自身で着脱が可能です。
矯正治療で使用するマウスピースと取り扱いがほぼ同じで、マウスピースから保定装置へ変わっても、比較的スムーズに対応していただける傾向にあります。
ただし、歯並びによっては、固定式のリテーナーをおすすめすることもあります。
歯の裏側にワイヤーを接着する固定式のリテーナーは、保定期間が終わるまで取り外しができませんが、ワイヤーは歯の裏側に固定されているため、口を開けても目立ちにくいのが特徴です。
インビザライン治療では、治療を始める前に、専用のシミュレーションソフトを用いて、歯がどのように動き、最終的にどのような歯並びになるのかを確認できます。
治療前に仕上がりのイメージを視覚的に把握できるため、目標を明確にしたうえで治療を始められるのが特徴です。
ゴールを具体的にイメージしながら治療を進めたい方、歯並びがどのように変わっていくかを知っておきたい方に適した治療といえます。
インビザライン治療中は、食事の際はマウスピースを取り外すのが基本です。
食事の内容に関する制限はなく、治療前と同じように食事をしていただけます。
装置に食べものがはさまる心配もなく、外食や会食が多い方にもおすすめですが、食後はできるだけ早く歯を磨いて、マウスピースを装着するようにしましょう。
インビザライン治療は、マウスピースを装着することで、歯列全体に弱い力を継続的にかけて、歯を少しずつ動かしていく治療です。
痛みの感じ方には個人差がありますが、ワイヤーを使った従来の矯正治療よりも、比較的痛みが少ないとされています。
また、ワイヤー矯正のように装置が当たることで、粘膜に傷や口内炎ができるリスクも抑えられます。
インビザライン治療で使用するマウスピースは、透明な医療用プラスチック素材で作られています。
そのため、金属アレルギーのリスクを避けたい方でも選択しやすい治療法です。
インビザライン治療は、患者様ご自身の自己管理が重要であることをお伝えしましたが、「どの歯科医院で治療を受けるか」という点も大切です。
なぜなら、インビザライン治療には、専門的な知識と技術が必要だからです。
治療で使用するマウスピースは既製品ではなく、お一人おひとりのお口の状態や治療後の歯並びに合わせて製作されます。
インビザライン治療では、専用ソフトを用いて歯の動きをコンピューター上でシミュレーションし、治療計画を立てますが、「どこにどれだけの力をかけるのか」「アタッチメントをどの位置に付けるのか」といった細かな設計には、歯科医師の知識や経験が必要となり、わずかな設計の差によって、治療期間や最終的な歯並びの完成度に影響することもあるのです。
さらに、治療中に計画の修正や追加対応が必要になるケースもあります。
その際に、的確な判断と対応ができるかどうかは、歯科医師の技術や経験にかかっています。
インビザラインには症例数に応じたドクターランク制度があり、一定の実績を持つ歯科医師のみが認定されます。
当院の院長は「インビザプラチナドクター」です。
インビザプラチナドクターに認定されるためには、インビザライン治療において年間一定数以上の症例実績を持つ歯科医師に認定される制度です。
これまでの治療実績をもとに、治療中のトラブルや予測外の歯の動きにも柔軟に対応できる体制を整えていますので、まずはお気軽にご相談ください。
実績以外では、院内にどのような設備があるかも、歯科医院を選ぶ上で大切です。
たとえば、矯正専用レントゲンであるセファロは、頭部全体を撮影し、骨格や歯の傾き、上下顎のバランスを分析するために欠かせない検査機器です。
セファロを活用することで、見た目だけでなく、かみ合わせや骨格的な問題まで把握した上で治療計画を立てることができます。
マウスピース型矯正装置「インビザライン」は、目立ちにくさだけでなく、自己管理や歯科医師の知識や技術力によって結果が左右される治療です。
ご自身に本当に合っているかどうかを見極めるためには、的確な検査と丁寧なカウンセリングが必要です。
当院では、見た目だけでなくかみ合わせを考慮した治療計画をご提案しています。
「自分に向いているのか知りたい」「他の治療法と比較したい」など、どのようなことでもご相談ください。