目次
毎日のセルフケアで、歯ブラシ以外の道具を使っていますか?
2022年(令和4年)歯科疾患実態調査によると、デンタルフロスや歯間ブラシを用いた歯間部清掃を行っている方は全体の50.9%でした。
男女別にみると、女性の方がデンタルフロスや歯間ブラシを使っている割合が高く、年代でいうと35〜79歳の女性は7割近い方が日々のケアに歯間ケアを取り入れていることがわかります。
参考:厚生労働省「令和4年歯科疾患実態調査 結果の概要」表25より
https://www.mhlw.go.jp/content/10804000/001112405.pdf
デンタルフロスや歯間ブラシを使うことで、歯磨きだけでは取り除けない汚れを除去することが可能です。
ここでは、デンタルフロスや歯間ブラシの選び方や使い方を含めて、歯間ケアについてお話します。
毎日頑張って歯を磨いていても、歯ブラシ1本だけでは落とせる汚れに限界があります。
特に、歯と歯の間や歯と歯ぐきの境目には、歯ブラシの毛先が届きにくく汚れが残りがちです。
ある調査によると、歯ブラシだけで落とせる汚れは全体の6割程度とされています。
歯ブラシとデンタルフロスを併用することで79%、歯間ブラシなら85%と、除去率は大幅に上がります。
参考:神奈川県「今日から始めるすき間ケア」より
https://www.pref.kanagawa.jp/documents/37565/sukimacare_new.pdf
歯と歯の間は、歯周病になりやすい場所の一つです。
そのため、歯ブラシの際に歯間ケアを取り入れることで、歯周病予防への効果が高まるのです。
デンタルフロスや歯間ブラシをより効果的に活用するためのポイントを整理します。
歯磨きよりも先に行うか、後に行うかは明確な決まりはありませんが、歯磨き前に行う方が効率的に汚れを落とせるとされています。
歯磨きの後に歯間ブラシやデンタルフロスを使って汚れをかき出すと、歯磨きでキレイになったところにかき出した汚れが付着してしまう恐れがあります。
歯磨きの前にしっかりと汚れを出しておけば、歯磨きの際に一緒に洗い流すことが可能です。
また、汚れを除去した部分に、歯磨き粉の有効成分が届くことができます。
お口の中に残った食べもののカスは、数日で歯垢へと変わるため、1日1回はデンタルフロスや歯間ブラシでのケアを行ってください。
歯磨きは毎食後と寝る前に行うという方が多いかと思いますが、毎回歯間ケアを行う必要はありません。
毎回歯間ケアを行っても問題はありませんが、あやまった使い方をしていたり、力をかけすぎたりすると歯や歯ぐきに負担をかけてしまう場合があります。
歯間ケアは1日1回でかまいませんので、1日の中でゆっくりと時間が取れるときに、行ってください。
特に、寝る前のタイミングがおすすめです。
寝ている間は唾液の分泌量が減少します。
唾液には虫歯菌や歯周病菌などの細菌を洗い流す働きがあるため、唾液の分泌量が減ることで、細菌がお口の中で繁殖しやすい状態となり、虫歯や歯周病になりやすい状態となるのです。
ひとことに歯間ケアといっても、お一人お一人のお口の状態によって、必要なケアは異なります。
サイズや形状など、ご自身に合うものを使用することで効果的に汚れを落とすことが可能です。
デンタルフロスも歯間ブラシも、どちらも歯間ケアに使用するものですが、形状が異なります。
どちらを選べばいいのかとお悩みの方もいらっしゃるでしょう。
デンタルフロスと歯間ブラシはどちらかしか使えないわけではありませんので、用途や目的によって使い分けることが大切です。
基本的には、歯間の広さとケアしたい部分で、デンタルフロスか歯間ブラシかを選びます。
歯間ブラシは、歯間の根元にすき間があいている方、歯ぐきが下がっている方に適しています。
奥歯のケアには、歯間ブラシの使用が効果的です。
また、ブリッジ周りのケアにも適しています。
一方、デンタルフロスは、歯と歯の接している部分の汚れを落とすことに長けているので、歯と歯のすき間がほとんどない方におすすめです。
デンタルフロスは、糸巻きタイプとホルダータイプがあります。
1本の長い糸がリールで巻かれている形状で、必要な長さを切り取って使います。
基本的には、指先からひじまでの長さ程度の長さで切り取って、左右の指に巻き付けます。
フロスをピンと張って、片方の手の指を歯の外側に、もう片方の指は内側に入れて、歯と歯フロスを歯にひっかけるようにして、上下に数回動かしてください。
次の歯に移るときは、新しい部分を使用して、同じように動かしましょう。
間違った使い方をすると、歯ぐきにダメージを与える恐れがありますので、慣れるまでは鏡を見ながらゆっくりと動かすことが大切です。
F字型やY字形をしたホルダーに糸がついているフロスです。
ホルダー部分を握って、歯間に通します。
糸を切ったり指に巻き付けたりする手間がないので、歯間ケアに慣れていない方はホルダータイプがおすすめです。
前歯にはF型、奥歯にはY型というように、ケアしたい部分で使い分けましょう。
歯間ブラシにもタイプがあります。
大きく分けてL字タイプとストレートタイプの2種類の形があり、ブラシのサイズにも差があります。
ストレートタイプは前歯に、L字タイプは奥歯に適しています。
歯の歯のすき間に無理なく入るサイズを選びましょう。
歯間ブラシは、鉛筆と同じように持ち、歯と歯のすき間にブラシを入れて前後に動かします。
歯ぐきを傷つけないように、上の歯には下向きに、下の歯には上向きに挿入するのがおすすめです。
すき間には入るものの動かしにくい場合や、すっと入らない場合は、少し小さい歯間ブラシへの変更を検討します。
使い方を間違うと、歯ぐきを傷つけて出血したり、すき間が大きくなったりする恐れがありますので、注意が必要です。
出血が続くようであれば、歯科医院にご相談ください。
2022年(令和4年)の歯科疾患実態調査によると、4mm以上の歯周ポケットを持つ方の割合は47.9%でした。
参考:厚生労働省「令和4年歯科疾患実態調査 結果の概要」表19より
https://www.mhlw.go.jp/content/10804000/001112405.pdf
歯周ポケットが4mm以上というと、歯を支えている骨が溶かされている状態です。
歯周病は初期の段階では自覚できる症状がほとんどないため、気づかないうちに進行しているケースも少なくありません。
歯周病を予防するには、毎日しっかりと歯間ケアを行うことが大切です。
デンタルフロスや歯間ブラシは、お子様もお使いいただけます。
ケイ歯科クリニックでは、お一人お一人のお口に合わせたデンタルフロスや歯間ブラシの選び方をアドバイスします。
使い方についても、わかりやすくお伝えしますので、どのようなことでもご相談ください。
当院では、歯周病の進行段階に合わせた治療を行っています。
原因となるプラークを徹底的に除去する「歯周基本治療」や、重度な歯周病に外科的な処置でアプローチする「歯周外科治療」だけでなく、顕微鏡検査によってお口の細菌の種類や数などを特定し、その細菌に合うお薬や歯磨き粉を使って除菌する「歯周内科治療」にも対応可能です。
歯周病の予防にも効果が期待できますので、歯周内科治療をご希望の方はお気軽にご相談ください。
西宮市のケイ歯科クリニックは、阪急今津線「甲東園」駅から歩いてお越しいただけます。
また、中津浜線沿いにあり、専用駐車場も完備していますのでお車での通院も可能です。