「毎日しっかり歯磨きしているのに、歯ぐきが下がってきた気がする」「検診で歯周病の初期といわれて驚いた」という方は少なくありません。
歯磨きは虫歯や歯周病予防の基本ですが、それだけでは歯周病を完全に防ぐことはできないのです。
歯周病を予防するためには、ご家庭での歯磨きに、歯科医院でのクリーニングを併用することが大切です。
ここでは、歯科のクリーニングが歯周病予防に効果的な理由についてお話しします。
2022年(令和4年)の歯科疾患実態調査によると、15歳以上の約48%が4mm以上の歯周ポケットを有しています。
参考:厚生労働省「令和4年 歯科疾患実態調査 結果の概要」p22 表19より
https://www.mhlw.go.jp/content/10804000/001112405.pdf
歯ぐきが健康な状態では、歯根と歯ぐきがくっついていますが、歯周病が進行すると歯と歯ぐきの間のポケットとよばれるすき間の奥深くに歯垢(プラーク)がたまるため、歯周ポケットがどんどん深くなるのです。
4mm以上の深さというと、歯周病はかなり進行している状態です。
歯周病が進行すると、
といった症状があらわれますが、初期の段階では、自覚できる症状がほとんどないため、発見が遅れることが多く、気付かないうちに歯周病が進行しているケースも少なくありません。
歯磨きを習慣にしている方は多く、毎日歯を磨いている方は約97.4%、毎日2回以上歯を磨く方は79.2%と多くの方が毎日複数回、歯を磨いています。
それでも、歯周病にかかっている方の割合は約半数もいるのが現状で、毎日歯を磨いていても歯周病を予防することはできていないことがわかります。
参考:厚生労働省「令和4年 歯科疾患実態調査 結果の概要」p26 表23より
https://www.mhlw.go.jp/content/10804000/001112405.pdf
毎日欠かさず歯を磨いていても、気付かないうちに歯周病が進行している可能性があります。
その理由として、次のことが考えられます。
一般的に、歯と歯の間、奥歯の裏側は、磨き残しが多い場所です。
細菌はこうしたすき間で繁殖し、歯周病を進行させます。
食べもののカスがお口の中に残っていると、細菌のエサとなります。
お口の中にある細菌は増殖を続け、歯垢(プラーク)を形成します。
食べもののカスやプラークは、歯磨きで取り除くことはできますが、プラークが膜のようになっている「バイオフィルム」になると、歯の表面にべったりと付着するため、歯磨きだけでは取り除くことが困難です。
バイオフィルムだけでなく、歯石も歯磨きでは取り除くことができません。
歯石は、歯垢(プラーク)が石灰化して、石のように硬くなったものです。
歯石の表面はザラザラしているため、その上に汚れやプラークが付着しやすく、細菌のすみかとなります。
歯科医院では、専用の器具や薬剤を使って、バイオフィルムや歯石を取り除くことが可能です。
当院では、プラークを徹底的に除去するために、PMTCを行っています。
PMTCとは、「Professional Mechanical Tooth Cleaning」の略称で、「専門家による機械を使った歯の清掃」ということです。
歯科衛生士がポリッシングブラシ、ラバーカップなどとよばれる専門の器具を使って、歯に付着している歯垢を落とします。
PMTCでは、普段の歯磨きでは取り除けない汚れやバイオフィルムなどを取り除くことが可能です。
汚れを落とした後には表面を研磨し、滑らかな状態に仕上げます。
汚れが付着しにくくなる効果もあり、虫歯や歯周病の予防、または歯周病治療後のメンテナンスや再発予防目的で行います。
「クリーニング」とよく似ていますが、「スケーリング・ルートプレーニング」では、歯の表面だけでなく、歯周ポケットに溜まった歯石や歯垢(プラーク)を除去するための専門的な治療です。
歯石やプラークの塊は、歯磨きだけでは完全に除去することが難しく、特に歯周ポケット内部に溜まったものは、セルフケアでは取り除くことができません。
まずは、スケーラーとよばれる器具を使って、歯周ポケット内や歯の表面の歯石を除去する「スケーリング」を行います。
その後、歯石を取った後のざらざらした部分を平らにする「ルートプレーニング」を行います。
この2つは、歯周病の基本治療として行う処置です。
歯石を取ることで、歯がしみたり、歯がグラグラと動きだしたりすることがありますが、歯ぐきの炎症が改善されることで、少しずつ症状は改善されていきます。
歯周病を予防するためには、ご自身で行う「セルフケア」と歯科医院で行う「プロケア」の併用が不可欠です。
セルフケアの基本は、歯磨きです。
歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスを活用して、歯と歯の間の汚れを丁寧に取り除きましょう。
歯磨き以外には、
ことを意識しましょう。
歯科医院で行う「プロケア」では、
を中心に行います。
歯周病は初期の段階では自覚できる症状がなく、発見が遅れる傾向にあります。
定期的にプロケアを受けていれば、初期の歯周病でも見逃すことはありません。
早期に発見し、適切な処置を行うことで、症状の進行を止めることが可能です。
歯周病を予防することには、さまざまなメリットがあります。
歯周病はお口だけの病気ではなく、全身の健康にも大きく影響します。
たとえば、歯周病が重症化して、歯ぐき内の血管に歯周病菌や炎症性物質が侵入すると、動脈硬化を引き起こすことがあり、心臓疾患や脳梗塞のリスクを高めることにもなるのです。
また、糖尿病と歯周病は相互に悪影響を与え、歯周病が悪化すると血糖値のコントロールが難しくなります。
さらに、妊娠中の女性が歯周病にかかり重症化すると、早産や低出生体重児出産のリスクが高まります。
歯周病は、重症化すればするほどに、治療が複雑になり、費用や治療期間の負担も大きくなります。
けれども、定期的にクリーニングや検診を受けることで、歯周病を早期に発見し、悪化を防ぐことが可能です。
結果的に、天然の歯を長く維持することができ、将来的な治療負担の軽減にもつながります。
歯周病はミドル世代の病気とお考えの方も多くいらっしゃいますが、「まだ早い」と思っている方こそ、将来のために、今から予防を始めることが大切です。
定期的にクリーニングを受けることで、お口の健康を維持することができます。
クリーニングの頻度は、お口の状態によって異なります。
といった方は、一般的な間隔よりも短いスパンでクリーニングを受けた方がいい場合もありますので、歯科医師と相談しながらスケジュールを調整しましょう。
歯周病は、歯磨きだけでは防ぎきれないため、歯科医院での定期的なケアが必要です。
当院では、お一人おひとりの症状に合わせた予防ケアをご提案します。
今までクリーニングを受けたことがない方も、お気軽にご相談ください。
西宮市の「ケイ歯科クリニック」は、電車やお車で通いやすい歯科医院です。
電車の方は、阪急今津線「甲東園」駅が最寄りです。