インプラント治療は、失った歯を補う治療法の一つです。
インプラント治療を選択する際に、基準の一つになるのが、「インプラントの寿命」ではないでしょうか。
人生100年といわれる中で、20代、30代でインプラント治療を検討中の方は、どれくらいまで使えるかは知っておきたいポイントでしょう。
ここでは、インプラントの平均寿命と、寿命がきたときにどうすればよいかについてお話しします。
目次
厚生労働省の「歯科インプラント治療のための Q&A」によると、上顎のインプラント治療の約90%程度、下顎のインプラント治療の94%程度が、10~15年経過しても、お口の中で残ってしっかりと機能しているというデータがあります。
抜歯と同時にインプラントを埋めた場合や、骨移植を伴った場合は、少し下がるものの87〜92%程度と、非常に高いといえます。
参考:厚生労働省委託事業「歯科保健医療情報収集等事業」 歯科インプラント治療のための Q&Aより
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/shika_hoken_jouhou/dl/01-02.pdf
また、インプラント治療後20年が経過した患者様に対するアンケートによると、20年経っても「なんでもよく噛める」と回答した方が94%でした。
これらのことから、メンテナンス次第では、20年以上たっても問題なくお使いいただける可能性が高いと考えられます。
参考:J-STAGE 日本口腔インプラント学会誌31巻 (2018) 2号「20年以上経過したインプラント患者のアンケート調査」図7より
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsoi/31/2/31_170/_pdf
インプラントの平均寿命は10〜15年と長く、メンテナンス次第では20年以上使えるケースもあります。
けれども、次のようなことがあれば、平均的な寿命を待たずにインプラントが使えなくなってしまう可能性があります。
インプラント治療後は、ご自身での毎日の丁寧な歯磨きに加えて、定期的なメンテナンスを継続して受ける必要があります。
メンテナンスでは、次のことを中心に、お口全体をすみずみまでチェックします。
定期的にプロの目でチェックを受けていれば、インプラントの異常に早期に気付くことが可能です。
また、歯科医院やインプラントメーカーによっては、定期的なメンテナンスを受けていなければ、保証を受けられないこともあります。
インプラントの寿命を縮めるおもな原因は、「インプラント周囲炎」です。
インプラントの周囲に汚れがたまることで、細菌が増殖し、歯ぐきに炎症が起こります。
炎症が進行すると、インプラントを支えている顎の骨が溶かされて、インプラントを支えられなくなります。
症状としては、歯周病と似ていますが、インプラント周囲炎は、歯周病よりも進行が早いため、注意が必要です。
なぜなら、インプラントの周囲には、歯根を覆っている歯根膜が存在しないため、歯ぐきから歯を支えている骨にダイレクトに広がっていくからです。
インプラント周囲炎の発症には、毎日のケア不足だけでなく喫煙などの生活習慣も関係します。
歯ぎしりや食いしばりは、特定の部分に強い力がかかります。
人工歯がすり減るだけでなく、インプラント体そのものに負担がかかります。
歯ぎしりや食いしばりを続けていると、インプラントの定着が悪くなるだけでなく、インプラント周囲炎を発症するリスクも高くなり、インプラントの寿命を縮めることになるのです。
タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素は、歯周組織の血流を悪くし、インプラントと骨の結合を阻害します。
また、インプラント周囲炎を発症するリスクを高めるといった点からも、インプラントの寿命に大きく影響します。
インプラントには、国内外さまざまなメーカーのものがあります。
中には、劣化しやすい素材を使用することで価格を抑える「格安インプラント」とよばれるものも存在するのが現状です。
当院では、安価なことを理由に実績の少ないインプラントを使用しません。
実績の豊富なインプラントを使用していますので、どのようなことでもお気軽にご相談ください。
インプラントの寿命を迎えた場合は、次の3つの選択肢があります。
どの治療法を選択するかは、患者様のそのときのお口の状態によって異なります。
顎の骨に問題がなければ、インプラント治療をもう一度行うことも可能です。
寿命を迎えたインプラントをそのまま使っていると、脱落する可能性があります。
食事中などに脱落すると、あやまって飲み込んでしまうこともあるため注意が必要です。
また、寿命を迎えた状態では、噛む力が弱まっている可能性が高いため、周りの歯に負担をかけてしまうことにもなります。
インプラント周囲炎が悪化して寿命を迎えてしまった場合は、そのままにしていると、炎症が広がり、激しい痛みを感じたり、患部が腫れたりすることもあるため、できるだけ早く取り除く必要があります。
インプラントの寿命を伸ばすためには、次の点に気を付けましょう。
インプラントの周囲を清潔に保つために、丁寧にブラッシングしましょう。
強い力でゴシゴシ磨くと、インプラント周囲の組織を傷つける恐れがあるため、毛先が細くやわらかいブラシを選ぶのがおすすめです。
歯と歯の間の汚れは、歯間ブラシやデンタルフロスを使って落としましょう。
メンテナンスでは、お口の中をチェックするだけでなく、お口の状態に合わせたクリーニングを行います。
歯科のクリーニングでは、セルフケアでは取り切れない汚れを、専用の薬剤や器具を使って、徹底的に取り除きます。
かみ合わせに問題があると、人工歯だけでなく、インプラント体や顎の骨に負担がかかります。
そのままにしていると、インプラントの破損だけでなく、動揺や脱落につながる恐れがあります。
かみ合わせの異常は、ご自身では気付くことが難しいため、定期的に歯科でチェックを受けるようにしましょう。
喫煙は、インプラントの寿命を縮めます。
インプラントの寿命を延ばすためには、減煙や禁煙がおすすめです。
インプラントの平均寿命は10〜15年程度とされていますが、メンテナンス次第では、20年、25年と延ばすことができる可能性があります。
当院では、治療後のメンテナンスにも力を入れて、長く安定してお使いいただけるようにサポートします。
寿命を迎えた場合には、お口に合わせて適切な治療をご提案しますので、何か気になることがあれば、できるだけ早くご相談ください。
また、当院では、安心して治療を選択していただけるように、インプラント治療には10年の保証期間を設けています。
さらに、インプラント治療をされた後、日常の食生活においてインプラント治療の効果がないと判断された場合には、治療代金の全額を払い戻す「返金制度」もございます。
ただし、返金制度に関しての保証内容は治療後90日を過ぎてから、1ヶ月の間です。
再治療を試みさせていただいた上での保証内容になっていますので、あらかじめご了承ください。
駐車場完備の「ケイ歯科クリニック」は、中津浜線沿いにあり、西宮だけでなく宝塚市や伊丹市からもアクセスしやすい歯科医院です。
電車でご来院の方は、阪急電車今津線「甲東園」駅をご利用ください。