歯は1本1本独立しているように見えますが、お互いに支えあっています。
そのため、1本でも歯を失ったら、お口全体のパフォーマンスが低下してしまうのです。
お口全体の機能を維持するためにも、できるだけ早く歯を補うことが大切です。
歯を補う方法は、一つではありません。
歯を失った場所や周囲の歯や歯ぐきの状態によっては、選択肢に限りがある場合もありますが、
の3つの方法からお選びいただくのが基本です。
それぞれにメリット、デメリットがあるため、どの治療法を選べばいいか迷ってしまうこともあるでしょう。
2022年(令和4年)の歯科疾患実態調査によると、15歳以上の方の歯を補う方法として、もっとも多いのがブリッジで全体の32.9%、部分入れ歯と総入れ歯を合わせた合計が28.7%、インプラント治療で歯を補った方は3.2%でした。
参考:厚生労働省「令和4年 歯科疾患実態調査 結果の概要」p16表14より
https://www.mhlw.go.jp/content/10804000/001112405.pdf
一方で、インプラント治療を行った方への調査によると、インプラントを行う前はブリッジだった方が18%、部分入れ歯を入れていた方が30%、総入れ歯の方が3%と、半数以上が、入れ歯やブリッジからインプラント治療に変えていることがわかります。
参考:J-STAGE 日本口腔インプラント学会誌19巻(2006)4号「インプラント治療に対する患者の意識調査」表1よりhttps://www.jstage.jst.go.jp/article/jsoi/19/4/19_478/_pdf/-char/ja
どの方法が適切かは、患者様のお口の中の状態や年齢、ライフスタイルによって異なります。
ここでは、比較されることの多いインプラントと入れ歯治療の違いについてお話しします。
インプラントも入れ歯も歯を補うという目的は同じですが、補う方法はまったく違うものです。
インプラントは、顎の骨に歯根の代わりとなるインプラント体を埋め込んで、その上部に土台・人工歯を取り付けます。
人工歯から歯根までが一体化しているため、しっかりと安定するのが最大の特徴です。
一方、入れ歯は、歯ぐきの上に人工歯をのせている状態です。
周りの歯や歯ぐきにバネをかけて支えにして人工歯を支えますが、歯ぐきの上にのっているだけなので、強い力が加わるとグラグラしてしまうことがあります。
そのため、噛みにくさやしゃべりにくさを感じる方がいらっしゃいます。
インプラントは構造上、入れ歯よりも安定感があります。
天然の歯と同じように噛みたいとお考えの方には、インプラント治療が向いている可能性があります。
インプラント治療には、基本的に保険が適用されません。
全額自己負担となるため、費用負担は入れ歯よりも大きくなる可能性があります。
一方、入れ歯は保険が適用されるものもあります。
保険の入れ歯を選べば、費用を抑えることは可能です。
ただし、保険の入れ歯は使用できる素材があらかじめ決められていますので、必ずしも納得のいく入れ歯になるとは限りません。
入れ歯の場合は、自立できないため周りの歯や歯ぐきに負担がかかることがあります。
長く使っているうちに、周りの歯の健康状態に影響がでて、治療が必要となる場合もあります。
また、入れ歯とインプラントの寿命にも注意が必要です。
インプラントは適切なメンテンナンスを行えば15年以上は問題なく使えるということがわかっています。
参考:厚生労働省委託事業「歯科保健医療情報収集等事業」歯科インプラント治療のための Q&Ap3よりhttps://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/shika_hoken_jouhou/dl/01-02.pdf
入れ歯は素材によりますが、定期的に作り直す必要があるため、長く安定して使えるインプラント治療の方がコストパフォーマンスがいいという考え方もできます。
お手入れの方法も、インプラントと入れ歯では異なります。
毎日のことですので、ご自身の考え方やライフスタイルに合っているものを選ぶことが大切です。
インプラントは顎の骨に固定されているので、患者様が取り外してお手入れをするということはありません。
周りの歯と同じように、丁寧に磨くのが基本です。
歯を失う前と同じようにお手入れができるという点は、インプラント治療のメリットの一つでしょう。
ただし、インプラントそのものがむし歯になることはありませんが、インプラントの周囲が不衛生な状態になると、「インプラント周囲炎」を発症する恐れがあります。
インプラント歯周炎は、歯周病のような病気で、汚れをエサに増殖した細菌が原因で、歯周組織に炎症が起こる病気です。
重症化すると、インプラントを支えている骨が破壊されて、インプラントが不安定な状態になる恐れがあります。
インプラント周囲炎は歯周病と同じで、初期症状がほとんどなく、気付かないうちに重症化しているケースも少なくありません。
歯周病よりも進行のスピードが速く、重症化しやすいため、毎日丁寧に歯を磨き、清潔な状態を維持することが大切です。
また、インプラント治療後は、定期的に歯科でメンテナンスを受ける必要があります。
歯科では、インプラントの状態やかみ合わせなどをチェックします。
一方、入れ歯は取り外してのお手入れが必要です。
毎食後入れ歯を外して、専用のブラシや洗浄剤で汚れを落とすのが基本です。
入れ歯に食べ物のカスが付着すると、口臭の原因となります。
入れ歯と歯ぐきの間に食べものがはさまると、痛みの原因となることもあります。
外食が多い方はお手入れの時間や場所の確保が難しく、毎食後のお手入れが負担となる場合もありますが、入れ歯を長く快適にお使いいただくためには必要なことです。
入れ歯もインプラントと同様に、定期的に歯科でメンテナンスを受ける必要があります。
入れ歯を長く使っていると、入れ歯そのものだけでなく、お口の中も変化するため、入れ歯が合わないと感じることがあります。
合わない入れ歯をそのまま使用していると、残っている歯にも悪い影響を与える恐れがありますので、定期的に入れ歯を調整することが大切です。
インプラント治療は、外科手術を伴います。
そのため、持病や服用中のお薬によっては、インプラント治療を受けられないこともあります。
インプラント治療の方が、治療期間も長くなるため、体力的な不安を感じている方もいらっしゃるでしょう。
インプラント治療の外科手術は、基本的に日帰りで行うもので、入院の必要はありません。
インプラントを埋めるために必要な時間は、1本あたり15分ほどで、手術そのものは1時間ほどで終わります。
実際にどのような治療を行うかについて不安がある方には、丁寧にわかりやすくお伝えしますので、どのようなことでもご質問ください。
一方、入れ歯は外科手術などはなく、どのような方でも製作することができます。
入れ歯の種類によっては、短期間で治療を終えられるものもあることから、治療や通院にかかる体力的な負担を重視される方は、入れ歯治療の方が向いている可能性があります。
インプラントか入れ歯、どちらを選ぼうか迷ってしまう方も多くいらっしゃるでしょう。
噛み心地や見た目の仕上がり、耐久性を重視される方は、インプラント治療がおすすめです。
保険の入れ歯では、金属製のバネを使用するため、入れ歯を使っていることが周囲に気付かれてしまうことがあります。
インプラントでは、人工歯以外のパーツが見えることはありませんので、自然な見た目となります。
また、インプラントは自立するため、周りの歯に負担をかけることはありません。
より天然の歯に近い状態をめざす方で、定期的なメンテナンスを受けることができる場合は、インプラント治療を受けられる状態かどうか、歯科に相談してみてください。
入れ歯はインプラント治療とくらべて、費用負担を抑えることができます。
また、入れ歯によっては、数回で治療が終わることもあるため、できるだけ早く治療を終えたい方には入れ歯治療がおすすめです。
当院では、保険診療の入れ歯から自由診療の入れ歯まで、さまざまな入れ歯を取り扱っています。
使用感や見た目などを重視しながら、ご自身に合う入れ歯を選べば、快適にお使いいただけます。
当院では、入れ歯治療にもインプラント治療にも力を入れています。
どちらか迷ったときは、まずはご相談ください。
それぞれのメリットやデメリットをお伝えした上で、患者様に合う治療をご提案します。
当院へは、阪急今津線「甲東園」駅のご利用が便利です。
お車でご来院の方用の駐車場もご用意しています。