お子様の歯並びを心配されている保護者の方は多くいらっしゃるでしょう。
お子様の歯並びは、成長と共に変化します。
そのため、生活習慣を整えたり、歯並びを悪くするクセを改善したりすることで、自然に治る場合もあります。
ここでは、お子様の歯並びがいつ決定するのか、歯並びはどのような要因で決定するかについてお話ししますので、参考にしてください。
目次
個人差はありますが、6歳前後になると、乳歯が抜けて、永久歯への生え変わりが始まります。
この時期になると、上顎の大部分が成長しているため、だいたいの歯並びを予測できるようになります。
下顎はまだ成長段階にありますので、この時期に顎の成長を促す矯正治療を行うことで、歯並びの基礎を作ることができるのです。
歯並びはさまざまな要素が絡み合って決定します。
おもな要因を3つ紹介します。
顎の骨の骨格は、歯並びと関係があります。
歯の大きさに対して、骨格が小さいと歯を並べるスペースが不足し、歯列が凸凹になります。
上下ともに小さい場合だけでなく、上顎だけ、または下顎だけといったように成長のバランスが悪い場合も、歯並びが乱れる原因です。
一般的に、乳歯は永久歯の半分ほどの大きさしかありません。
そのため、乳歯列期は、歯と歯の間にすき間があいています。
この時期に歯と歯の間にすき間がほとんどない場合は、顎の骨格が小さい可能性があり、将来的に歯列がガタガタになる恐れがあります。
その場合は、早めに歯科を受診して、顎の成長を促すことが大切です。
歯の大きさも歯並びと関係があります。
骨格が一般的な大きさであっても、歯が大きい場合は、スペースが足りなくなって、斜めに生えたり重なって生えたりする可能性が高いでしょう。
反対に、歯が小さい場合は、すきっ歯になる可能性があります。
何気なくしているクセや習慣も、歯並びに影響をおよぼします。
などを長期間続けていると、歯や顎の位置を変えてしまう恐れがあります。
指しゃぶりは赤ちゃんや子どもの自然な行動の一つです。
遊びの一つでもあり、心を落ち着かせるための手段でもあります。
2〜3歳ごろまでは無理にやめさせる必要はありませんが、3歳をすぎても続いている場合は、歯並びに影響をおよぼす恐れがあるため、やめさせた方がいいでしょう。
指しゃぶりをすることで、上の前歯は前方に押し出されて、下の前歯は下の方に押さえつけられた状態が続きます。
その結果、上の前歯が前に出る「出っ歯」や、奥歯をかみ合わせたときに前歯がかみ合わない「開咬(かいこう)」といった歯並びになる恐れがあります。
お子様が普段からお口をポカンと開けている場合は、口呼吸をしている可能性があります。
通常は、呼吸は鼻で行います。
口を閉じて鼻で呼吸をすると、舌が上顎に適切な圧力をかけるポジションにつくため、上顎の成長が促されます。
一方、口を開けて呼吸する口呼吸では、舌の位置が下がってしまい、上顎に圧力がかかりません。
その結果、上顎が成長せずにバランスの悪い歯並びになってしまう恐れがあります。
口呼吸は、歯並びだけでなく、お口の環境にも悪い影響をおよぼします。
お子様が口呼吸をしている場合は、できるだけ早くご相談ください。
舌で前歯を押したり、舌を出したりするクセがある場合も、歯並びに影響をあたえます。
長期間にわたって、前歯を押していると出っ歯になり、下の前歯を押していると受け口になる可能性があります。
歯並びが悪くなると、見た目の問題だけでなく、発音にも影響が出てしまい、お子様の社会生活に影響をおよぼすことにもなりかねません。
舌のクセは、程度によっては日常的なトレーニングで改善される場合もあります。
症状によっては、矯正装置を使って、歯並びの悪化を予防することをご提案します。
子どもの歯並びは、成長するにつれて、自然に整うことがあります。
乳歯の前歯がハの字のように斜めに生えている場合は、顎が成長するにつれて、少しずつ歯の向きが整う可能性があります。
また、乳歯の時期によく見られる歯と歯の間のすき間も、永久歯へと生え変わる時期に改善される可能性が高いため、定期的にお口をチェックしながら様子を見ましょう。
子どもの歯並びを悪化させないためにも、次のことに気を付けましょう。
食事の際は、「よく噛む」ことを意識しましょう。
噛むことで、お口周りの筋肉が発達し、顎の成長を促します。
また、噛むことで唾液の分泌量が増加します。
唾液には、
といった働きがあり、虫歯を予防する効果が期待できるのです。
お子様が口呼吸をしていたら、できるだけ早めに改善することが大切です。
日中、お口がポカンと開いていたら、お口を閉じるようにやさしくうながしましょう。
就寝中は無意識にお口が開いてしまうケースが多いので、就寝前に鼻づまりを解消したり、適度な湿度を保ったりすることで、快適に眠れる環境を整えてあげましょう。
歯並びは、姿勢とも関係があります。
猫背やスマホ首は、頭が前方に下がることで、下顎の位置が変化して歯並びに影響をおよぼす恐れがあります。
また、うつぶせ寝や頬杖などで歯を押している状態が長時間続くと、歯が内側に倒れてしまうのです。
姿勢が悪いと、咀嚼(そしゃく)の効率も悪くなります。
普段から正しい姿勢で過ごすことを心がけましょう。
定期検診では、虫歯や歯周病の症状がないかだけでなく、歯の生え変わりの状態やかみ合わせを確認します。
お子様のお口の中は目まぐるしく変化しています。
ご家庭では気付きにくいことも、プロの目で見ることで、早期発見・早期治療が可能です。
また、矯正治療を始めるタイミングはお一人お一人で異なります。
顎の成長する時期に矯正治療を行うことで、より効果的に歯を動かすことができます。
歯が生え始めた段階から定期的にお口を見せていただいていると、矯正治療を始めるタイミングを見逃さずにご案内できます。
歯並びは見た目の問題だけでなく、お口そして全身の健康とも関係があります。
歯並びが凸凹だと、歯磨きがしにくくなり、虫歯や歯周病を引き起こしやすくなります。
また、かみ合わせにズレがあると、全身のバランスがずれて、姿勢が悪くなるでしょう。
子どもの矯正治療は、顎の骨の成長を利用します。
顎の骨の成長をコントロールすることで、大人になってからの矯正治療よりも、痛みが少なく、身体的な余裕も生まれます。
子どもの矯正治療を始めるタイミングは、6歳ごろが目安の一つです。
西宮市の「ケイ歯科クリニック」では、お子様の歯並びを定期的にチェックしながら、お一人お一人に適したタイミングをご提案します。
お口周りのクセや習慣の見直しは今すぐ始められますので、まずは歯並びのチェックにお越しください。
当院は、中津浜線沿いにあります。
お車でご来院の方は、専用駐車場をご利用ください。
阪急今津線「甲東園」駅より徒歩7分と電車でも通いやすく、西宮市以外からも多くの患者さんがご来院されています。