現在、インプラントのメーカーは、世界中に100社以上あるとされていて、それぞれのメーカーがさまざまなインプラントを製造しています。
インプラント治療を検討されている方の中には、どのメーカーのインプラントを選べばいいのかわからないという方もいらっしゃるでしょう。
当院では、ストローマン社のインプラントと、ノーベルバイオケア社のインプラントを採用しています。
ここでは、これらのインプラントの特徴についてお話しします。
目次
インプラントメーカーに迷ったら、まずはかかりつけの歯科医院に相談するのがおすすめです。
ほとんどの歯科医院は、次のような点を中心に、それぞれの歯科医院で使用するインプラントメーカーを決定しています。
インプラント治療では、外科手術で顎の骨に歯根の代わりとなる「インプラント体」を埋めます。
一度埋めたインプラント体は、メンテナンスの状態にもよりますが、10年、15年経っても問題なく使用できている方が大半です。
厚生労働省の「歯科インプラント治療のためのQ&A」によると、埋入部位や埋入条件によって異なりますが、10〜15年の累積生存率は上顎で約90%程度、下顎で94%程度と、15年経過しても非常に高い割合で、インプラントが機能していることがわかります。
参考:厚生労働省「歯科インプラント治療のためのQ&A」
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/shika_hoken_jouhou/dl/01-02.pdf
長く使うインプラントだからこそ、信頼できて耐久性があるものを選ぶことが大切です。
歴史のあるインプラントメーカーであれば、症例数も多く、臨床実験データも豊富にあります。
実際に、10年、20年と長期的に安定する科学的根拠を示しているインプラントメーカーも存在します。
一方で、歴史の浅いインプラントメーカーの場合、症例数が少なく、長期的なデータが十分にそろっていない可能性が高く、使用に慎重にならざるをえないというのが現状です。
インプラントを長く使用するためには、適切なメンテナンスを継続して行うことが必要です。
メンテナンスを行っていなければ、一般的な寿命を待たずにインプラントが脱落してしまう恐れがあるため、インプラント治療を受ける前にメンテナンスを継続できる環境を整えておくことが大切です。
日本国内で普及率が高いインプラントメーカーのインプラントを選んでいると、治療後に引っ越しをしたときも、通院やメンテナンスを継続しやすくなります。
長期的な視点で考えると、世界的なシェアの高さだけでなく、国内での普及率も参考にするのがおすすめです。
ほとんどのインプラントメーカーは、独自の保証制度を設けています。
ただし、保証の内容はメーカーごとに異なります。
また、歯科医院独自の保証制度を設けているケースもめずらしくありません。
保証を受けるためには、条件をクリアしている必要がある場合が大半ですので、事前に保証内容や条件などを確認しておきましょう。
当院では、ストローマン社のインプラントと、ノーベルバイオケア社のインプラントを採用しています。
安価なことを理由に実績の少ないインプラントを使用することはなく、実績にもとづいてインプラントメーカーを選んでいます。
ノーベルバイオケア社は、スイスのチューリッヒを本拠地とする、インプラントを中心とする歯科修復分野におけるリーディング・カンパニーです。
ブローネマルク教授が1952年に純チタンと骨が結合することを発見し、1965年に世界で初めてチタン製の歯科用インプラント治療を行ったという歴史があります。
1981年には、世界ではじめてインプラントを製品化し、現在のインプラント治療の基準を作った開発メーカーです。
また、インプラントの傾斜埋め込みや少ない本数のインプラントですべての歯を支える「オールオン4」治療、3Dによる治療プランニング、ガイディッド・サージェリーなどさまざまな技術・パッケージを開発してきました。
ノーベルバイオケアインプラントには、次のような特徴があります。
ノーベルバイオケア社のインプラントは、開発から60年という長い歴史の中で進化を続け、現在では世界80ヶ国以上で導入されています。
これまでの患者様の数は2,000万人を超えていて、研究論文の多さ、製品の多様さといった点からも、信頼できるインプラントメーカーです。
参考:ノーベルバイオケア「ノーベルバイオケアについて」より
https://www.nobelbiocare.com/ja-jp/our-story#about
https://www.nobelbiocare.com/ja-jp/our-purpose
ストローマン社はスイスのバーゼルを本拠地とする、インプラント歯科学、修復歯科学、口腔組織再生の領域の世界的なリーダーとされています。
ストローマン社が、現在使用されているインプラントの原型となるチタン製のスクリュー(ネジ)型インプラントの製造を始めたのは1967年です。
それから50年以上にわたり、インプラントの研究・開発を続ける老舗メーカーです。
ストローマンインプラントには次のような特徴があります。
・世界中で多く選ばれている
ストローマンインプラントは、世界70ヶ国以上、500万人以上の患者さんに選ばれていて、トップクラスのシェアを誇ります。
これまで、1300万本以上のストローマンインプラントが治療に使用されてきました。
日本でも多くの歯科医院で採用されているため、転居や緊急時もスムーズに受診できる可能性があります。
・科学的なエビデンスが示す安定性
ストローマンインプラントの品質の高さは、科学的なエビデンスによって裏付けられています。
スイスのベルン大学で行われたストローマンインプラントの10年間の臨床研究では、511本のインプラントのうち、97%が成功、98.8%が生存と報告されています。
成功というのは、インプラントの周囲にも何の問題もない状態でインプラントが維持されているかで、生存というのは周囲の状態にかかわらずインプラントが残っているかどうかです。
インプラント周囲の粘膜に炎症が起こり、骨が溶けてしまう「インプラント周囲炎」の発生率が1.8%と非常に低いという点も、評価が高い理由の一つと考えられます。
ストローマンインプラント独自の表面構造が長期的な安定性に関与しているという報告が多くの研究により立証されています。
・長期的な臨床研究がある
世界には100以上のインプラントメーカーがありますが、長期的な臨床研究が行われているインプラントは非常に少ないのが現状です。
ストローマンインプラントは、治療後5年および10年の長期的な臨床データがあり、信頼性・安定性が高いことが裏付けられています。
参考:ストローマンパートナーズ「科学的エビデンスが示すストローマンインプラントの信頼性/安全性」よりhttps://straumannpartners.jp/medical/reason/trust/
インプラント治療は外科手術を伴いますので、専門的な知識と技術はもちろんのこと、治療環境の整った歯科医院で治療を受けることが大切です。
信頼性の高いインプラントメーカーのインプラントを採用し、これまでの治療実績にもとづき、安全性の高い治療を行いますので、インプラントに関することはどのようなことでもご相談ください。
また、保証制度も充実しております。
インプラント治療に対して、10年間の保証を行っています。
それぞれのインプラントの特徴を詳しくお話ししますので、わかりにくいことがありましたら、どのようなことでもご質問ください。