歯周病は、日本では多くの人が抱えているお口の病気です。
年齢や性別に関係なくどなたでもかかる可能性がありますが、かかりやすい人にはいくつかの共通する特徴があります。
毎日くり返している生活習慣が、じつは歯周病のリスクを高めているかもしれません。
ここでは、歯周病のリスクを高めている生活習慣と予防のために心がけたいことをお話しします。
目次
歯周病の直接的な原因は、歯垢(プラーク)です。
プラークは、お口の中にある細菌とその代謝物のかたまりで、プラーク1㎎の中には10億個以上の細菌が存在しているとされています。
参考:厚生労働省eヘルスネット「プラーク / 歯垢」より
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/teeth/yh-031.html
歯垢の中の細菌が出す毒素によって歯周組織に炎症が起こり、歯周病となるのです。
そのため、お口の中にプラークが多く存在すればするほど、歯周病にかかるリスクは高くなります。
プラークは粘着力があり水に溶けないため、うがいだけでは取り除くことはできません。
プラークを取り除くには、丁寧な歯磨きが必要です。
特に、歯と歯ぐきの境目や奥歯は磨き残しが多い場所ですので、丁寧に磨いてください。
また、プラークは歯と歯の間にも形成されます。
という方は、しっかりとプラークを落とせていない可能性がありますので、歯磨きのやり方を見直しましょう。
歯周病は、初期の段階では自覚症状がほとんどないため、気付かないうちに症状が悪化しているケースは少なくありません。
定期的に歯科検診を受けていると、初期の症状も見逃すことなく、早期治療につながります。
反対に、定期検診に行く習慣がない方は、歯周病リスクが高いといえます。
定期検診では、お口のチェックをした後で、歯垢や歯石を徹底的に除去する「クリーニング」を行います。
毎日がんばって歯を磨いても、すべての汚れを落とすことはできません。
特に、歯垢が石のように固まった「歯石」は歯磨きでは除去することは難しいのです。
そこで、歯磨きで落とせない汚れは、歯科の専門的なクリーニングで取り除きましょう。
毎日の歯磨きに加えて、定期検診および歯科のクリーニングを受けることで、歯周病を効果的に予防できます。
喫煙は歯周病リスクを高める要因の一つです。
たばこの煙や成分は、お口の中に入り粘膜や歯ぐきから吸収されます。
たばこに含まれている有害物質によって、血管が収縮し、歯ぐきへの血流量が減少します。
歯ぐきに十分な酸素が行き渡らなくなると、歯周病の原因となる細菌が繁殖しやすくなり、歯周病が悪化するのです。
歯周病になると、歯ぐきが炎症を起こし、出血するケースが多く見られます。
歯ぐきからの出血で、歯周病に気が付くという方も少なくありませんが、喫煙している方は血管が収縮しているため出血しにくく歯周病の発見が遅れてしまうという点にも注意が必要です。
次のような食生活をしている方は、歯周病にかかりやすいといえます。
歯周病の原因となる細菌は、お菓子やジュースに含まれる「糖」を好みます。
結果的に、細菌が増殖することとなり、歯周病が悪化するのです。
歯周病だけでなくむし歯リスクも高めます。
また、ビタミンは歯ぐきの健康維持のために必要な栄養素です。
不足すると、歯ぐきが弱くなり、炎症を起こしやすくなります。
お仕事などでお忙しく外食が多い方や簡単に食事をすませている方は、ビタミンをしっかりと摂れているか確認してみましょう。
献立を考える際は、栄養素はもちろんですが、あまり噛まなくても飲み込めるやわらかいものよりも、しっかりと噛む必要がある食材を取り入れてください。
しっかりと噛むことで、唾液の分泌量が増加します。
唾液にはお口の中の汚れを洗い流す役割があるため、お口の中を清潔な状態に保つために必要です。
ストレスが歯周病の直接的な原因になるわけではありませんが、進行のスピードを速める原因になる可能性があります。
ストレスが多くなると、免疫機能が低下して、感染症にかかりやすくなるといわれています。
また、ストレスが原因で歯ぎしりや食いしばりをする回数が増えると、歯や歯ぐきに余計な負担がかかることもあるでしょう。
さらに、交感神経が優位になることで、唾液の分泌量が少なくなり、歯周病を悪化させる恐れがあります。
不規則な生活をしていて十分に睡眠が摂れていないと、免疫機能が低下し、感染症にかかりやすくなったり、悪化しやすくなったりする恐れがあります。
歯周病治療を行っていても、睡眠不足が改善されなければ、思うような効果が得られない場合があります。
また、運動不足にも注意が必要です。
適度な運動は免疫力を高める効果がある一方で、運動不足は全身の血流が悪くなり、歯ぐきの健康にも悪影響を及ぼします。
特に、血行不良は歯ぐきの細胞に栄養を届けにくくし、歯周病を進行させる可能性があります。
歯周病を効果的に予防するためには、次のことを心がけましょう。
プラークは、歯の表面だけでなく、歯と歯ぐきの境目や歯と歯の間にも形成されます。
歯と歯の間に形成されたプラークは、歯ブラシ1本だけでは取り除くことが難しいので、歯間ブラシやデンタルフロス等を活用しましょう。
歯磨きの後に、洗口液を使うのも効果的です。
ご自身に合うデンタルケア製品がわからないときは、お気軽にご相談ください。
気になる症状がない場合でも、定期検診を受けましょう。
検診の間隔は3〜6ヶ月と、お口の状態によって異なります。
歯科医院の指示通りに、検診を受けましょう。
気になる症状がある場合は、次の検診を待たずにできるだけ早く受診しましょう。
喫煙は歯周病のリスクを大幅に高める要因の一つです。
歯周病にかかるリスクを抑えるためにも、禁煙に取り組みましょう。
歯ぐきを健康な状態で維持するために、ビタミンを意識して摂るようにしましょう。
ことを心がけることが大切です。
適度な運動や趣味を通じてストレスを軽減しましょう。
規則正しい生活を意識し、睡眠のリズムを整えていると、歯ぐきに炎症が起きても軽度ですむ場合があります。
毎日の生活習慣が、気付かないうちに歯周病のリスクを高めていることがあります。
歯周病は正しい知識と適切なケアで予防できる病気です。
歯周病になってしまっても、早期発見・早期治療を行えば、症状を改善することができます。
日常生活の中で、歯周病のリスクを高めている生活習慣を見直して、お口の健康を維持できるよう努めましょう。
当院では、お口のクリーニングなどのプロフェッショナルケアはもちろんのこと、生活習慣へのアドバイスも行っていますので、どのようなことでもお気軽にご相談ください。
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