失った歯の機能を回復させる治療法の中で、「ブリッジ」を選ぶ方が多くいらっしゃいます。
実際に、2022年(令和4年)の歯科疾患実態調査では、15歳以上でなんらかの補綴物を使用している方は全体の49.6%ですが、ブリッジをお使いの方は32.9%でした。
部分入れ歯をお使いの方が20.1%、総入れ歯をお使いの方が8.7%、インプラントをお使いの方が3.2%と、ブリッジをお選びの方が一番多いことがわかります。
インプラント治療をお選びになる方の割合は、まだ低いものの、天然の歯を取り戻したような感覚が再現されることから、インプラント治療を希望される方は今後も増えていくでしょう。
ただし、インプラント治療では、外科手術が必要です。
1本であっても、ある程度の負担がかかります。
そのため複数の歯を失った場合、インプラント治療をためらう方もいらっしゃるでしょう。
しかしながら、インプラント治療とブリッジを併用すれば、少ない数のインプラントで連結した人工歯を支える治療が可能です。
ここでは、インプラントブリッジ治療についてお話しします。
参照:厚生労働省「令和4年歯科疾患実態調査」表14
https://www.mhlw.go.jp/content/10804000/001112405.pdf
目次
通常のインプラント治療では、失った歯の顎の部分にインプラント体を埋め込んで、上部に人工歯を取り付けます。
つまり、1本の歯に対して1本のインプラント体を使用します。
インプラントとブリッジを併用すれば、2本のインプラントを支えにして連結した人工歯を支えることが可能です。
インプラントとブリッジを併用するのは、連続して歯を失った場合で、
といった方法で歯を補います。
3本以上連続して歯を失った場合は、
という選択肢があります。
3本以上連続して歯を失っている場合は、ブリッジ治療だけでは補うことはできません。
なぜなら、ブリッジ治療だと、3本分の歯を支えるためには、両隣の歯にかかる負担が大きくなりすぎるからです。
また、3本すべてをインプラントにすると、費用負担も大きくなってしまうことから、部分入れ歯を選択する方が多くいらっしゃいます。
けれども、インプラントとブリッジを併用すれば、2本のインプラントで3本分の連結した歯を支えることが可能です。
インプラントを3本入れることにくらべると、費用も抑えられるのはもちろんのこと、顎の骨への負担も抑えられます。
噛む力は、部分入れ歯よりも強く、歯を失う前のような食事ができるようになるでしょう。
一般的なブリッジでは、抜けた歯の両隣の歯を削って柱としますが、インプラントブリッジの場合は、両隣の歯を削る必要がないため、残っている健康な歯に悪い影響を与えることはありません。
連続して2本の歯を失った場合は、
といった選択肢があります。
部分入れ歯では、2本分の人工歯を隣の歯にバネをかけるようにして固定します。
歯を失った場所によっては、お口を開けたときにバネが見えてしまうこともあるでしょう。
また、入れ歯の種類によっては、噛む力は天然の歯とくらべて弱くなるため「噛みにくさ」を感じることがあります。
ブリッジでは、歯を支えるために両隣の健康な歯を削る必要があります。
2本連続して失った場合は、ロングブリッジといって、1本失うよりは長い人工歯を装着するため、柱となる歯への負担が大きくなるため、柱と人工歯のバランスを取るのが重要です。
インプラントとブリッジを併用すれば、失った2本のうち1本をインプラントにして、そのインプラントと天然の歯を柱にして、真ん中の歯を補うことが可能です。
片方の天然歯は柱とするために削る必要がありますが、インプラントを1本いれることで、力が分散されて、噛み心地が安定しやすくなります。
ただし、この方法は難易度が高いため、すべての方に適用できるとは限りません。
ご自身の歯が対象となるかは、一度歯科にご相談ください。
インプラント2本とブリッジを併用する治療法には、さまざまなメリットがあります。
一番のメリットは、インプラント2本で、3本分の歯を構築することができるところです。
インプラント体は顎の骨と結合して一体化するため、両端のインプラントで3本分の歯を安定して支えることができます。
インプラントの本数を最低限にすることで、手術時間も短くなるため、身体への負担も軽減できます。
インプラント治療は保険が適用されない自由診療の治療です。
インプラントの本数が増えれば、費用も増えるのが基本です。
そのため、インプラントの本数を最小限に抑えることで、費用負担が少なくなります。
部分入れ歯では、周りの歯にバネをかけて人工歯を支えます。
そのため、支えとなる歯には負担がかかり、長く使っていると寿命を縮めてしまう恐れもあるのです。
インプラントは顎の骨に埋めることで自立するため、周りの歯に負担をかけることはありません。
インプラントとブリッジを併用する治療では、メリットだけでなく注意点もあります。
ブリッジ治療は、保険診療の範囲内で治療することが可能です。
一方、インプラントは保険が適用されないため、費用負担は大きくなります。
ただし、保険診療のブリッジ治療では、素材を自由に選ぶことができず長い目でみると審美的に気になる部分がでてくる可能性があります。
インプラントとブリッジを併用する場合は、費用負担はあるものの、より自然な見た目に仕上げることが可能です。
インプラントとブリッジを併用する場合は、連結した人工歯を装着することになります。
1本1本をインプラントにする場合は、天然の歯を同じようにケアすることが可能です。
歯と歯の間も歯間ブラシやデンタルフロスを使って掃除することができます。
一方、ブリッジの場合、連結しているため形が複雑です。
汚れが溜まりやすく、虫歯や歯周病になるリスクが高いため、しっかりとお手入れする必要があります。
3本の歯を3本のインプラントで支えるのと、2本のインプラントで支えるのでは、2本で支えるほうが、インプラント1本にかかる負担は大きくなります。
大きな力がかかれば、インプラントやブリッジの寿命にも影響がでる可能性がありますので、しっかりとメンテナンスを行うことが大切です。
虫歯や歯周病、またはケガなどが原因で、連続して歯を失う可能性は誰にでもあります。
インプラントとブリッジを併用すれば、2本のインプラントで3本分の歯を支えることができます。
とはいっても、インプラントとブリッジの併用は、単純なインプラント治療とくらべて難易度が高く、インプラントに関する専門的な知識や技術が必要です。
当院の院長はインプラント治療の経験が豊富にあり、さまざまな症例に対応できます。
患者様のご要望に合わせた治療をご提案しますので、どのようなケースでもまずはご相談ください。
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