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厚生労働省の歯科疾患実態調査(2016年)によると、15歳以上の約10%が「口臭が気になる」と回答しています。

参考:厚生労働省eヘルスネット「口臭の原因・実態」より

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-07-001.html

お口のにおいは、さまざまな原因で発生します。

特に、歯周病の症状としてお口のにおいが強くなっている場合は、できるだけ早い対策が必要です。

ここでは、歯周病が原因となっている口臭の特徴と、改善方法についてお話しします。

歯周病が進行するとお口のにおいが強くなります

歯周病は細菌による感染症です。

歯垢(プラーク)の中で増殖した歯周病菌がつくりだす毒性物質によって歯周組織に炎症を引き起こします。

歯周病菌は唾液・血液・新陳代謝によってはがれたお口の中の粘膜・食べかすなどのタンパク質を分解する過程で、「メチルメルカプタン」を産生します。

メチルメルカプタンは、腐った玉ねぎのような独特なにおいを放つガスです。

適切な治療を行わなければ、プラークは増殖し、歯と歯ぐきの境目にある「歯周ポケット」がどんどん深くなります。

酸素を好まない歯周病菌は、酸素の少ない歯周ポケットの中で活発になり、増殖するのです。

さらに、歯周ポケットの中には、歯ブラシの毛先が届きにくいこともあり、プラークはどんどん溜まっていきます。

その結果、メチルメルカブタンの産出量が増えて、口臭がきつくなるのです。

さらに、歯周病が進行すると、歯の根元に膿のかたまりができます。

膿のかたまりが裂けると、さらに強いにおいを放つことになるのです。

この状態では、口臭はもちろんですが、歯を支えている骨の大部分が溶かされている状態になっているケースが大半です。

早急に治療を行わなければ歯を失う可能性が高くなりますので、できるだけ早く歯科を受診しましょう。

歯周病の口臭を改善するためにできること

歯周病による口臭は、ご自身だけでなく周囲の方にも影響をおよぼす可能性があります。

歯周病の進行状態に合わせた治療を行うことで、口臭が改善されますので、次のことを実践しましょう。

歯科で歯周病治療を受ける

まずは根本的な原因を取り除くために、歯周病の治療を行います。

歯周病は、細菌による感染症ですので、一度進行すると自然に治ることはありません。

進行段階に合わせて、次のような方法で症状の改善をめざします。

・歯のクリーニング

歯周病の直接的な原因は、歯の表面に付着したプラーク(歯垢)です。

プラークは、細菌が増殖したもので、歯磨きなどのセルフケアで落とすことはできますが、すべてのプラークを歯磨きだけで落とすことは難しいでしょう。

歯科のクリーニングでは、専用の機器と薬剤を使って、お口のすみずみに溜まったプラークを徹底的に除去します。

汚れを落としたあとは、歯の表面を磨いて、汚れが付着しにくい状態に整えます。

・スケーリング(歯石除去)

歯磨きで落としきれなかったプラークは、数日で石のように硬い歯石となります。

歯石となると歯磨きでは落とすことはできません。

歯石はザラザラしているため、そのままにしていると、その上にプラークが付くことになるのです。

歯石は歯科でスケーラーとよばれる専用の器具を使って、削り落とします。

・ブラッシング指導

クリーニングやスケーリングでキレイになった状態を維持するためには、お口に合ったブラッシングを行うことが大切です。

お一人お一人に合わせた磨き方や、歯ブラシなどデンタルケア製品の選び方をアドバイスしますので、毎日しっかりと実践しましょう。

・定期検診

歯周病は初期の段階では、自覚症状が少ないため発見が遅れる傾向にあります。

歯ぐきの腫れや出血、口臭は歯周病の症状の一例です。

気になることがあれば、できるだけ早く歯科を受診しましょう。

特に気になることがない場合でも、定期検診を受けることで早期発見・早期治療が可能になります。

歯周病は知らないうちに進行することから、「サイレントディジーズ(静かなる病気)」ともよばれていますので、定期検診を欠かさないことが大切です。

セルフケアの効果を高める

歯周病の予防の基本は、毎日の歯磨きです。

歯科で行う歯周病治療や予防ケアに加えて、毎日のセルフケアをより効果的なものにすることで、健康な状態を維持しやすくなります。

・食べたら磨く

日本では歯磨きの習慣が定着していて、歯科疾患実態調査によると1日2回以上歯を磨く方の割合は79%を超えています。

参考:厚生労働省「令和4年 歯科疾患実態調査結果の概要」表23より

https://www.mhlw.go.jp/content/10804000/001112405.pdf

朝と夜寝る前の2回磨く方が多いかと思いますが、できれば毎食後しっかりと磨くことをおすすめします。

なぜなら、プラークは、食後数時間で形成されるからです。

プラークは歯ブラシでは落とすことはできますが、うがいだけでは落とすことはできません。

参考:厚生労働省eヘルスネット「プラーク / 歯垢」より

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/teeth/yh-031.html

プラークができるスキを作らないように、「食べたら磨く」ことを心がけましょう。

・歯間ブラシやデンタルフロスを活用する

プラークは歯と歯の間や歯と歯ぐきのすき間など、歯ブラシの毛先が届きにくい場所によく溜まります。

特に、歯と歯の間の汚れは歯ブラシ1本だけでは取り除くことは難しく、落とせるのは6割程度です。

歯間ブラシやデンタルフロスを使うことで、除去率は8割近くまで上がります。

参考:神奈川県「今日から始めるすき間ケア」

https://www.pref.kanagawa.jp/documents/37565/sukimacare_new.pdf

まだ使っていないという方には、デンタルフロスや歯間ブラシの選び方や使い方のアドバイスも行っていますので、お気軽にご相談ください。

・薬効成分の入った洗口液を使う

洗口液(マウスウォッシュ)は、口臭や乾燥の予防を目的に使用します。

殺菌成分が配合されたマウスウォッシュを使用することで、ニオイの原因となる細菌の数自体を減らしたり、嫌なニオイを抑えたりする効果が期待できます。

歯磨き後の仕上げとして使用するのが効果的ですが、あくまでも補助的なもので汚れを落とすことはできません。

口臭の原因は歯周病だけではありません

歯周病以外の原因で口臭が発生することもあります。

口臭は、病的口臭と生理的口臭の2つに分けられます。

病的口臭とは

病的口臭とは、病気が原因となって起こる口臭です。

虫歯や歯周病のようにお口の中の病気もあれば、糖尿病などの内科的な病気が原因となることもあります。

病的口臭の場合は、原因を特定してそれぞれの治療を行えば口臭が改善される可能性があります。

生理的口臭とは

生理的口臭とは、健康状態に関係なく誰にでも発生します。

お口の中には常に細菌が大量に存在しています。

さまざまな原因で唾液の分泌量が減ってお口の中が乾燥すると、細菌の動きが活発になり、揮発性硫黄化合物というにおいの物質を作るのです。

特に、

には、唾液の分泌量が低下していることが多く、強い口臭が発生しやすいタイミングです。

歯を磨いたり水分を補ったりすることで、お口の中が潤えば解消されるでしょう。

ほかにも、においのきつい食品を食べることでも口臭が発生しますが、食べものによる口臭は一時的なもので、時間とともにおさまります。

お口のにおいが気になったら「ケイ歯科クリニック」にご相談ください

口臭は非常にデリケートな問題で、どこに相談したらいいかわからずにお一人でお悩みの方もいらっしゃるでしょう。

お口のにおいは歯科医院で改善できる可能性があります。

一人ひとりのにおいの原因を特定した上で、適切な治療法をご提案しますので、お気軽にご相談ください。


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