歯周病になっていないか、セルフチェックしていますか?
歯周病は年齢や性別に関係なく、誰にでも起こる可能性があります。
実際に、令和4年(2022年)の歯科疾患実態調査によると、10歳以上の49.3%の方が歯ぐきからの出血があることがわかっています。
参考:厚生労働省「令和4年 歯科疾患実態調査 結果の概要」p21より
https://www.mhlw.go.jp/content/10804000/001112405.pdf
歯ぐきからの出血は、歯周病の初期症状の一つです。
多数の方が歯周病の症状を抱えていることから、歯周病は「国民病」とよばれています。
では、なぜ歯周病にかかる人の割合は高いのでしょうか?
ここでは、日本人が歯周病にかかりやすい理由についてお話しします。
日本では、歯科先進国にくらべて、予防意識がまだまだ低いといえます。
歯周病は、適切なケアで予防できる病気です。
「毎日歯磨きをしているから大丈夫」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。
けれども、歯磨きだけでは十分とはいえません。
実際に、日本では歯磨きの習慣はしっかりと定着しているといえます。
1歳以上の方で毎日歯をみがく方の割合は97.4%、毎日2回以上歯をみがく方は79.2%です。
参考:厚生労働省「令和4年 歯科疾患実態調査 結果の概要」p26より
https://www.mhlw.go.jp/content/10804000/001112405.pdf
歯磨きの習慣が身についていても、歯周病になる方は一定数いらっしゃるのが現状です。
歯周病を予防するためには、毎日の歯磨きに加えて、定期的に歯科医院でプロのケアを受けることが大切です。
歯周病は静かに進行する病気とされていて、初期のころには自覚できるような症状はほとんどありません。
そのため、ご自身で歯周病にかかっているとは気づかないまま過ごしている方が多いと考えられます。
だからこそ、定期的な歯科検診とクリーニングを受ける習慣をつけておくことが大切なのです。
定期検診でプロがお口の中を診れば、歯周病かどうかはすぐにわかります。
初期の段階で発見してすぐに治療を始めれば、歯や歯ぐきに与えるダメージを抑えることが可能です。
けれども、歯科疾患実態調査によると、この1年間に歯科検診を「受けた」と回答した方は全体の58%でした。
年代別で見ると20〜40代の方の割合が低く、男女別にみると女性は約63%、男性は約52%と、女性の方が多く検診を受けています。
20本以上の歯を維持している方の割合を見てみると、女性の方が多く歯を残せていることからも、受診率の低さが、歯周病の罹患率の高さと関係している可能性があります。
参考:厚生労働省「令和4年 歯科疾患実態調査 結果の概要」p32より
https://www.mhlw.go.jp/content/10804000/001112405.pdf
毎日しっかり歯を磨いているのに歯周病になってしまうのには、いくつかの理由が考えられます。
毎日丁寧に歯を磨いていても、歯ブラシ1本だけでは、すべての汚れを落とすことはできません。
特に、歯と歯の間は歯ブラシの毛先が届きにくく、歯垢が溜まりやすい場所とされています。
歯と歯の間の汚れは歯ブラシ1本だけでは、6割ほどしか落とせませんが、デンタルフロスや歯間ブラシを使うことで8割近くまで除去率を高めることが可能です。
令和4年の歯科疾患実態調査によると、デンタルフロスや歯間ブラシを用いた歯間部清掃を行っている方は全体の50.9%に留まっています。
デンタルフロスや歯間ブラシを使うことを習慣づけて、丁寧に歯と歯の間の汚れを取り除きましょう。
参考:厚生労働省「令和4年 歯科疾患実態調査 結果の概要」p30より
https://www.mhlw.go.jp/content/10804000/001112405.pdf
また、毎日の歯磨きに加えて、定期的に歯科のクリーニングを受けることも大切です。
歯石や歯垢がかたまって膜のようになった「バイオフィルム」は歯磨きでは落とすことができません。
歯科のクリーニングでは、専用の機器と薬剤を使って歯磨きでは落とせない汚れを取り除きます。
歯周病菌は空気を嫌うため、歯と歯ぐきのすき間「歯周ポケット」の奥深くにもぐりこみます。
定期的に歯科のクリーニングを受けることで、健康な状態を維持することが可能です。
歯ぎしりや食いしばりは無意識のうちに行っている方がほとんどですが、特定の部分に大きな負担となります。
基本的に上下の歯がかみ合うときは、食べものを噛むときで1日に20分程度とされています。
食いしばりや歯ぎしりをしている間は強く噛みしめている状態が続くため、歯ぐきに対する影響は大きく、歯周病の症状がある方が歯ぎしりや食いしばりをしていると、歯槽骨の吸収が進む恐れがあるのです。
歯ぎしりや食いしばりが起こる原因は、お一人お一人で異なりますが、
・悪いかみ合わせ
・ストレス
などが原因と考えられています。
歯ぎしりや食いしばりの対策として、お口に合うように製作したマウスピースを装着することで歯や歯ぐきを保護することができます。
症状を緩和することができますが、原因そのものを改善しているわけではありません。
かみ合わせに問題がある場合は、かみ合わせを整えることが大切です。
ストレスを抱えている場合は、生活習慣を整えてリラックスできる環境を整えましょう。
歯並びが悪い場合も、歯周病のリスクが高くなります。
歯が重なっている部分があれば、食べものがはさまりやすくなったり、磨き残しが多くなったりしがちです。
食べカスがあれば、それをエサに細菌が増殖して、お口の中が不衛生な状態となります。
歯並びは矯正治療で整えることができます。
タバコに含まれるニコチンなどの有害物質は、血管を収縮させるため血液の流れが悪くなります。
血流が阻害されることで、歯ぐきや歯に栄養がいきわたりにくくなり、歯周病菌に対する抵抗力が低下します。
さらに、細胞の自己修復機能にも影響を及ぼすのです。
長く喫煙を続けていると、歯ぐきが黒っぽくなるだけでなく、血流が阻害されることで歯ぐきのはれや出血が抑えられて、歯周病の症状に気づきにくくなります。
ネバネバしているタールが歯の表面に付着することで、汚れがつきやすくなり、歯周病がさらに悪化する原因となるのです。
喫煙習慣がある方は、ない方とくらべて歯周病のリスクが高くなりますので、できるだけ禁煙を心がけましょう。
歯周病と糖尿病は、お互いにマイナスの影響を与えあう関係とされています。
糖尿病は悪化すると、心臓や目など、全身のさまざまな場所に合併症を起こす病気です。
細菌感染しやすい状態となるため、糖尿病を抱えている方は、歯周病が進行しやすい状態です。
歯周病は年をとったらなる病気というイメージをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
実際に、年齢とともに、歯周病患者数は増加します。
ただし、若い方でも発症する可能性はあります。
歯周病は早期に発見してすぐに治療を始めれば、歯や歯ぐきへのダメージを最小限に抑えることが可能です。
「自分には関係ない」「まだ早い」と思わずに、お子様も含めてご家族の皆様でセルフチェックを行うようにしましょう。
次のような症状があれば、歯周病にかかっている可能性があります。
・朝起きたときに口のなかがネバネバする
・歯を磨くと歯ぐきから出血する
・硬いものが噛めない
・口臭がきつくなった
・歯ぐきが腫れている
・歯ぐきが下がっている
気になる症状があれば、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。
西宮市のケイ歯科クリニックは、歯周病予防に取り組んでいます。
患者様お一人お一人の年齢やライフスタイルに合わせた予防ケアをご提案し、健康なお口を維持できるようにサポートしていますので、どのようなことでもお気軽にご相談ください。
予防を始めるのに早すぎることはありません。
まずは、ご家族皆様でお口のチェックにお越しください。
当院は、阪急今津線「甲東園」から近く、西宮市だけでなく宝塚市からも通いやすい歯医者です。
駐車場もご用意していますので、お車の方もお気軽にご来院いただけます。