健康志向の高まりから、年齢や性別に関係なく、運動を習慣にしている方は増えています。
マウスピース矯正治療の治療期間は、1日20〜22時間、食事や歯磨きを除いたほとんどの時間だけ、マウスピース型矯正装置を装着する必要があります。
運動を習慣にしている方の中には、「マウスピース矯正治療中に運動ができるか」を心配している方もいらっしゃるでしょう。
基本的には、マウスピース型矯正装置を装着したまま運動することはできます。
ただし、どのような運動でも問題ないというわけではありません。
ここでは、マウスピース矯正治療中の運動で気を付けていただきたいことについてお話しします。
目次
マウスピース型矯正装置は特殊なやわらかい素材でできていますので、運動中に相手と接触したり、ボールが口元に当たったりしても、お口の中を傷つけることはほとんどないでしょう。
そのため、運動中も取り外す必要はありません。
ただし、マウスピース矯正装置をつけて運動する際は、いくつかの注意点を守っていただく必要があります。
マウスピース型矯正装置歯には、歯の表面に取り付けるワイヤー装置とくらべて歯や粘膜、唇などを傷つけにくいという特徴がありますので、お口に装着したまま、運動していただくことは可能です。
けれども、あくまで歯列を整えるためのものですので、スポーツ時の衝撃から歯・歯ぐき・骨を守るために装着する「スポーツマウスガード」とは異なります。
そのため、激しく接触する可能性があるスポーツを行う場合は、マウスピース型矯正装置は取り外して、スポーツマウスガードを装着するのがおすすめです。
スポーツマウスガードは、マウスピース型矯正装置とくらべて、厚みがありウエイトリフティングなど瞬発力を発揮する際の「噛みしめ」にも対応できるように作られています。
一方、矯正用のマウスピースは、違和感を少なくするために薄いプラスチックで製作されていて、強い力が加わると、変形したり破損したりする恐れがあるのです。
マウスピース型矯正装置に強い力が加わると、外れたりお口の中を傷つけたりする恐れがあります。
健康のためにジムに通っている方が増えていますが、ジムでの一般的なワークアウトであれば、マウスピース型矯正装置を装着したままトレーニングを行っても問題はありません。
けれども、歯を食いしばるようなワークアウトの際には、強い力がかかってマウスピース型矯正装置を破損してしまう恐れがあるのです。
矯正治療中は激しいスポーツは控えるようにして、リスクの低いスポーツや運動に切り替えることを検討しましょう。
マウスピース型矯正装置を装着していると、お口の中が乾きやすくなります。
お口の中が乾燥すると、細菌が繁殖しやすい状態となり、むし歯・歯周病・口臭の原因となります。
さらに、脱水状態になる恐れもありますので、意識して水分を補給するようにしましょう。
とはいっても、マウスピース型矯正装置を装着している間は、飲めるものに限りがあります。
マウスピース型矯正装置を装着中に飲めるのは、基本的には水のみとお考えください。
運動の際にスポーツドリンクを飲む習慣がある方は、マウスピース型矯正装置を装着しているときは水を飲むようにして、マウスピース型矯正装置を外してからスポーツドリンクを飲むようにしましょう。
なぜなら、スポーツドリンクには糖分や酸が多く含まれているからです。
マウスピース型矯正装置を装着したままスポーツドリンクを飲むと、歯とマウスピース型矯正装置の間に糖や酸が溜まり、むし歯リスクが高まります。
飲み終わったあとは、しっかりと歯を磨いてから、マウスピース型矯正装置をつけましょう。
運動中に口呼吸になるとお口の中が乾燥します。
また、汗をかくことで唾液の分泌量が減り、お口の中が不衛生な状態となりやすいので、運動後はマウスピース型矯正装置を適切にケアする必要があります。
マウスピース型矯正装置を取り外して、専用のクリーナーや水で汚れや細菌を丁寧に洗いましょう。
運動後にしっかりとケアをしていないと、マウスピース型矯正装置についた汚れが原因でお口の中の環境が悪くなり、むし歯・歯周病の原因となる恐れがあります。
適切なケアを心がけて、お口の中を清潔に保つように努めましょう。
洗浄後にすぐに装着しない場合は、専用のケースに入れて保管するのが基本です。
ティッシュにくるんで机の上に置いていたり、カバンの中に入れたりすると、間違って捨ててしまう恐れがあります。
直射日光や高温によって、マウスピース型矯正装置が変形することもありますので、保管場所にも注意が必要です。
気付かないうちにマウスピース型矯正装置が変形している可能性もありますので、定期的に歯科医院でマウスピース型矯正装置やお口のチェックを受けることが大切です。
しっかり歯にフィットしていなければ、予定通りに歯が動かずに治療期間が延長する恐れがあります。
ウォーキングは、マウスピース型矯正装置や身体への負担が少ない運動です。
道具も不要で、誰でもどこででも気軽に始めていただけます。
ウォーキング中は、歯を食いしばったりかみしめたりする恐れがないため、マウスピース型矯正装置を装着していることを負担に感じることはないでしょう。
また、ヨガも激しく身体を動かさないため、マウスピース型矯正装置を装着したままでも問題なく行っていただけます。
精神的なリラックス効果が高いのはもちろんのこと、体の柔軟性やバランスを向上させることができる運動ですので、マウスピース矯正中におすすめです。
ほかにも、水の抵抗を利用した全身運動で関節への負担が少ない水泳も、マウスピース型矯正装置を装着したまま行えるスポーツです。
マウスピース型矯正装置を使った治療を行っている間は、次のような接触機会の多いコンタクトスポーツは避けましょう。
・ラグビー
・アメリカンフットボール
・アイスホッケー
・ボクシング
・格闘技
ラグビーやアメリカンフットボールなどは身体的な接触が多いスポーツです。
直接的な衝撃を受けることで、マウスピース型矯正装置自体やお口の中が傷つく恐れがありますので、競技中はマウスピース型矯正装置を取り外して、スポーツマウスガードを装着しましょう。
スポーツマウスガードは、衝撃から歯を保護するために設計されていて、マウスピース矯正中にスポーツを行う際にも有効です。
ボクシングや柔道・空手などの格闘技は、顔面が打撃を受ける可能性が高いスポーツです。
お顔への直接的な衝撃は、マウスピースの破損はもちろんのこと、装置がお口の中を傷つける恐れがあります。
また、スケートボードやインラインスケートのように、転倒のリスクが高いスポーツを行う場合も、マウスピース型矯正装置を取り外して行いましょう。
マウスピース矯正治療中もスポーツをしていただくことは可能です。
趣味程度の運動やジムでのトレーニングなどであれば、マウスピース型矯正装置を装着したままでも問題はありません。
ただし、スポーツの種類によっては装置がケガの原因となることもありますので、矯正治療を始める前にご相談ください。
矯正治療中も、運動を継続しながらストレスなく過ごせるように、お一人お一人に合わせたアドバイスを行います。
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