「歯を失っても今までと同じように食事や会話を楽しみたい」と感じている方は多くいらっしゃるでしょう。
年齢を重ねるとともに歯を失う方の割合は増加しますが、若年層やミドル世代でも歯を失う可能性は誰にでもあります。
令和4年(2022年)の「歯科疾患実態調査」によると、45〜54歳で歯を失っている方は4割いらっしゃいます。
人生100年時代となった今、歯を失ってからの人生の方が長いというケースも珍しくはありません。
今後も、天然の歯のような噛み心地や見た目が再現されることから、インプラント治療を検討される方は増えていくでしょう。
実際に、「インプラント治療に対する患者の意識調査」によると、インプラント治療を選択した理由として多いのが「よく噛めるようになると思って」「入れ歯をいれたくなかったから」という回答でした。
ただ、インプラント治療は外科手術が必要となるため、インプラント手術に対して「痛そう」といったイメージをお持ちの方が多くいらっしゃるのが現状です。
意識調査によると、インプラント治療を選択する際に迷われた点についての質問に対しては、「手術が痛くないか」と答えている方が多くいらっしゃいます。
参考:日本口腔インプラント学会第19巻4号「インプラント治療に対する患者の意識調査」
当院では、インプラント治療に対する不安感を取り除くために「静脈内鎮静法」をご提案しています。
目次
静脈内鎮静法とは、鎮静剤や鎮痛剤を点滴を使って静脈内に投与することで鎮静状態にして、歯科治療に対する恐怖心や術後の痛み・腫れを軽減する方法です。
意識がなくなるわけではなく、ウトウトとしたような状態で手術を受けることになります。
鎮静中も意識はありますので、簡単な受け答えであれば可能です。
薬によって、恐怖心や痛みをほとんど感じなくなるため、歯科治療に対して不安感の強い患者様や、器具がお口に入ると反射的に吐き気をもよおす「嘔吐反射」の強い患者様も、リラックスした状態で治療にのぞむことができます。
また、高血圧・糖尿病・心臓病などの持病がある場合でも、ストレスによって体調が悪化することを防ぐことができることから、インプラント手術以外にもさまざまな手術や治療で使用されている方法です。
次の項目に当てはまる方は、静脈内鎮静法がおすすめです。
・歯科治療に対して不安感や恐怖心が強い方
・歯科治療中に気分が悪くなった経験がある方
・高血圧症・心臓病・糖尿病などの持病がある方
・全身管理が必要な方
・お口に器具が入ると反射的にえづいてしまう方
インプラントを埋め込む本数が多いケースでは、治療に時間がかかり精神的・肉体的な負担が大きくなる傾向にあります。
そのような場合でも、静脈内鎮静法がおすすめです。
静脈内鎮静法を行うと、不安や恐怖心がやわらぎ、リラックスして治療を受けられます。
さらに健忘(けんぼう)効果があるため、処置時間が実際よりも短く感じることもあり、「あっという間に終わった」「気付いたら終わっていた」と感じていただけるでしょう。
また、静脈内鎮静下では、血圧や心拍数などが安定した状態で治療を受けられます。
静脈内鎮静法を行っている間は、自動血圧計などを使用して患者様の全身状態を常にチェックしています。
患者様の状態に変化があった場合は、点滴を通してすぐに投薬等の処置を行うことが可能です。
ほかにも、器具がお口に入ると吐き気をもよおす「嘔吐反射」が強い方も、静脈内鎮静法であれば吐き気を感じることなく治療をスムーズに進められます。
静脈内鎮静法の役割は「患者様にリラックスして治療を受けていただくこと」です。
ただし、静脈内鎮静法には痛みを感じにくくする「鎮痛作用」はありません。
そのため、痛みを和らげる効果のある「局所麻酔」と併用することで、痛みも緊張も感じることなく、インプラント手術を受けていただけます。
静脈内鎮静法と全身麻酔には大きな差があります。
全身麻酔は意識を失っている状態ですので、呼びかけに応答することはできません。
静脈内鎮静法では、眠くなるような感覚はありますが基本的に意識はあり、歯科医師からの呼びかけにも応えられます。
また、全身麻酔よりも麻酔が切れた後の回復が早いという特徴があります。
全身麻酔をする場合は入院の必要がありますが、静脈内鎮静法の場合であれば、点滴を外せばすぐに麻酔が覚めるため、入院は基本的に不要です。
また、全身麻酔のように呼吸管理を行う必要はありません。
日本では、静脈内鎮静法を行っている歯科医院は限られていて、局所麻酔でインプラント手術を行うケースがほとんどです。
局所麻酔は「手術による痛みの軽減」を目的にしています。
もちろん、局所麻酔でも痛みを感じないようにすることは可能です。
けれども、局所麻酔では意識を休ませることはできません。
手術中に何をされているかがわかるため、緊張したり不安になったりしますよね。
静脈内鎮静法は、インプラント手術への不安感や負担感を軽減できる治療法ですが、いくつか注意点があります。
・手術当日は車の運転は控える
・術後は安静に過ごす
・保険が適用されない
静脈内鎮静法は回復が早く、点滴をやめれば、比較的早く元の状態に戻ります。
治療直後はふらつきや眠気が生じる場合がありますが、院内でお休みいただき回復してからご帰宅していただきます。
とはいえ、個人差があり、眠気が残る場合もありますので、手術当日は車の運転はできません。
ご家族や知り合いの方に送迎していただくか、公共の交通機関をご利用ください。
静脈内鎮静法を行った場合に限りませんが、手術当日は激しい運動や飲酒は控えていただきます。
持病や服用中のお薬によっては、静脈内鎮静法を受けていただけないことがありますので、まずはご相談ください。
静脈内鎮静法では、点滴麻酔によってウトウト寝ているような状態で治療することが可能です。
歯科治療に対する不安や恐怖心から治療をためらっていた方も、リラックスして治療を受けていただくことができます。
当院は、静脈内鎮静方法を用いることができる歯科医院です。
インプラント治療や虫歯・歯周病治療時に使用することで痛みを抑えることができます。
静脈内鎮静法を希望される方には、メリットや注意点について詳しく丁寧にご説明しますので、まずはご相談下さい。
西宮市の「ケイ歯科クリニック」は、中津浜線沿いにあり、専用の駐車場も完備しています。
阪急今津線「甲東園」駅より徒歩7分と電車での通いやすい歯科医院です。