インプラントは失った歯を補う治療の一つです。
歯を失った顎の部分に人工の歯根である「インプラント体」を埋め込んで人工歯を支えるため、しっかりと安定し、天然の歯と同じ程度の噛む力が再現されます。
さらにメンテナンス次第では、10〜15年経っても上顎で約90%程度、下顎で94%程度が問題なく使用できることがわかっています。
長く使用できることもインプラント治療のメリットの一つで、インプラント治療を検討する方はこれからも増えていくでしょう。
参考:厚生労働省委託事業「歯科保健医療情報収集等事業」歯科インプラント治療のためのQ&Aより
しかしながら、インプラント治療は外科手術が必要です。
そのため事前の検査を含めて、トータルの治療期間は長くなる傾向にあります。
インプラント治療を検討中の方は、どれくらいかかるのかというのは気になるポイントでしょう。
ここでは、インプラント治療の治療期間についてお話しします。
目次
インプラント治療は、事前の検査から最終的な人工歯の装着まで、何段階ものプロセスがあります。
トータルの治療期間は3ヶ月から1年と幅があり、患者様の症状によって異なります。
失った歯の数や、埋め込むインプラントの本数などによって治療期間は左右されるのです。
また、お口の状態によっては追加の治療が必要となることもあります。
数本をインプラント治療する場合は、比較的短期間で治療を終えることができます。
治療期間は平均して3ヶ月程度です。
ブリッジを入れることができない奥歯や目立ちやすい前歯など、さまざまな症例に対応可能です。
歯が残っていない場合は、4本のインプラントですべての歯を支える「オールオン4」という治療法をご提案します。
総入れ歯が合わずにお困りの方におすすめの治療法です。
部分的な治療にくらべて、治療期間が長くなる傾向にあり、すべての治療を終えるまでに1年ほどかかるケースもあります。
お使いの入れ歯に問題がないけれども、動きやすいといったお悩みがある方には、数本のインプラントを顎の骨に埋め込んでから、その上に入れ歯を組み込む「インプラントデンチャー」をご提案します。
入れ歯がしっかりと安定するので、食事や会話を楽しんでいただきやすくなります。
治療期間は、3〜6ヶ月程度です。
インプラントの治療の流れにそって、どれくらいの期間が必要かをご説明します。
まずはカウンセリングで、患者様のお悩みや治療に関するご要望をおうかがいします。
大まかな治療期間や費用を提示し、ご納得いただけた場合は精密検査を行います。
精密検査では、
・お口内部のチェック
・歯科用CT撮影
などを行います。
麻酔を使った外科手術を行いますので、
・持病の有無
・服用しているお薬の種類
・現在の体調
・食生活
などについても、お聞かせください。
カウンセリング内容と検査結果をもとに、お一人お一人に合わせた治療計画を作成し、具体的な治療期間や費用をご提示します。
治療計画にご納得いただいてから治療を始めますので、お気軽にご質問ください。
カウンセリング・精密検査のために通院していただく回数は2〜3回程度、期間でいうと1週間ほどが目安です。
お口の状態に応じて、手術の前に必要な治療を行います。
虫歯や歯周病の症状が確認された場合は、治療を優先して行います。
細菌による感染症である虫歯や歯周病をそのままにしていると、インプラント手術後に細菌感染などの合併症を起こす可能性があるからです。
特に、歯周病には注意が必要です。
重度の歯周病を患っていて骨が溶かされている場合は、骨を増やす治療を行います。
お口の中が健康な方であれば、このプロセスは不要で、すぐに手術を受けていただくことが可能です。
通院回数は症状によって異なります。
軽度であれば1回の通院ですむこともありますが、重度の場合は治療を終えるまでに1ヶ月ほどかかることもあります。
事前の検査で、骨の量が少ないことがわかれば、増やす治療が必要です。
インプラントを埋め込むのと同時に骨造成を行うこともありますが、骨造成を行って骨が再生されてからインプラント治療を行う場合は、骨の再生を待つ期間が追加されます。
また、歯ぐきが下がっている場合は、歯ぐきを移植する手術が必要となる場合もあります。
歯ぐきを開いて、人工歯根(インプラント体)を顎の骨に埋め込みます。
手術自体はインプラント体1本につき1時間程度で、入院の必要はありません。
手術は2回に分けて行う「2回法」と、1回で人工歯の土台である「アバットメント」の装着まで行う「1回法」の2種類があり、どちらを行うかで治療期間に差が出ます。
1回目の手術では、歯ぐきを開いて人工歯根(インプラント体)を顎の骨に埋め込み、歯ぐきを縫合します。
インプラント体と骨が結合してから、2回目の手術を行います。
インプラント体と骨が結合するまでには、個人差はありますが、平均して3〜6ヶ月程度必要です。
2回目の手術も1回目と同様に、麻酔をかけて歯ぐきを開き、インプラント体の上部にアバットメントを装着します。
2週間ほどで傷口が回復しますので、回復したらアバットメントの上に最終的な人工歯を装着します。
1回法では、アバットメントが一体化されたインプラント体を埋め込みます。
1回の手術ですむため、身体への負担が少なくなり、治療期間も短縮できます。
けれども、細菌感染のリスクが高くなるため、すべての方に適用できるとは限りません。
手術後は、骨とインプラント体が結合するのを待ち、しっかりと安定したら最終的な人工歯をセットします。
インプラント治療は、人工歯がセットされて問題なく噛めるようになれば終了です。
けれども、治療後も適切なメンテナンスを継続させる必要があります。
インプラントは人工物ですので、むし歯になることはありませんが、周囲に汚れがたまると歯周病によく似た「インプラント周囲炎」を発症する恐れがあります。
インプラント周囲が不衛生な状態になると、溜まった細菌が出す毒素によって歯ぐきが炎症を起こすのです。
重症化するとインプラント体を支えている骨が溶かされて、最終的に脱落する恐れがあります。
毎日の丁寧な歯磨きと定期的な歯科医院でのメンテナンスを行っていれば、長く安定してお使いいただくことができますので、特に気になるところがなくてもメンテナンスを継続させましょう。
インプラントは、入れ歯やブリッジとくらべて、治療期間が長くかかります。
けれども、機能面も見た目の美しさも、天然の歯に限りなく近い状態に回復させることができる治療です。
治療期間が長くかかったとしても、将来的に見てメリットの多い治療といえます。
西宮市の「ケイ歯科クリニック」では、事前に治療期間の目安をお伝えし、治療中に変更があれば、その都度お伝えします。
患者様が不安に感じることなく、治療を行えるようにサポートしますので、どのようなことでもご相談ください。
阪急今津線「甲東園」駅より徒歩7分、中津浜線沿いにあり、電車でもお車でも通院しやすい歯科医院です。
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