歯を残すための「予防歯科」歯の残存数が多いほど健康に過ごせるって本当？ | 西宮市歯科歯医者ケイ歯科クリニック

当院では「8020（ハチマルニイマル）運動」を実施しております。
「8020運動」とは、「80歳になったときに20本以上の永久歯が残っている」状態をめざす運動です。
私たちは20本以上の歯があれば、食生活にほぼ満足することができるとされています。

また、ご自身の歯を多く保っている方ほど「介護状態」になりにくいという研究結果もあります。
ここでは、歯の残存数と健康についてお話しします。

歯を失うとどうなる？

年齢と共に歯を失う方の割合は増加し、残っている歯の本数も少なくなります。
2022年の歯科疾患実態調査によると、70〜74歳の1人平均現在歯数は21本、75〜79歳では18.1本、80〜84歳では15.6本、85歳以上では14本でした。

参考：厚生労働省「令和4年度歯科疾患実態調査結果の概要」ｐ20表17より

歯には「食べる」だけでなく「話す」「表情をつくる」「呼吸をする」などさまざまな役割があります。
歯の数が減ることで、お口の機能は低下し、
・話しにくい
・飲み込みにくい
・むせる
・こぼす
といったことが起こります。

お口の機能の衰えをそのままにしていると、
・食べるものに偏りが出て栄養バランスが悪くなる
・人と話すことが億劫になり外出の機会が減る
・体力が低下する
こととなり、全身の衰えにつながるのです。

東北大学の研究によると、「自分の歯が多く保たれている高齢者は健康寿命が長く、要介護日数も短い」ことがわかっています。

参考：東北大学プレスリリース「自分の歯が多く保たれている高齢者は健康寿命長く、要介護日数短い」より

歯を失う理由

日本人の歯を失う原因の1位は歯周病で、2位が虫歯です。

参考：厚生労働省eヘルスネット「歯の喪失の原因」より

奥歯から失われていくことが多く、自然に抜け落ちるというよりは、歯周病や虫歯が進行して抜歯せざるをえなくなるというケースが多くみられます。

歯周病で歯を失う理由

歯周病は「静かなる病気」とよばれるほど、静かに進行します。
歯周病菌が出す毒素によって歯ぐきが炎症し、歯を支えている骨が溶かされて歯が抜け落ちます。
初期の段階では自覚できる症状がほとんどなく、気付いたときには重症化していることもめずらしくありません。

歯科検診に行く習慣がない方
歯磨きが十分でない方
喫煙習慣のある方
糖尿病の方
歯ぎしりをしている方

などは、歯周病リスクが高いと考えられます。

虫歯で歯を失う理由

虫歯も歯周病と同様に、初期段階では自覚症状がほとんどありません。
ごく初期の段階で発見できれば経過観察ですむこともありますが、進行すると感染部分を削る治療が必要です。

治療のためとはいえ、一度削った歯は二度と元には戻りません。
発見が遅くなり、歯を大きく削ったり、神経をとったりした場合は大きなダメージが歯にかかります。
再発して治療を繰り返すうちに、歯は次第にもろくなり抜歯せざるをえない状態になることがあります。

歯を残すためにできること

歯をできるだけ健康な状態で残すためには、次のことを心がけましょう。

定期的に歯科のメンテナンスを受ける
歯ブラシだけでなくフロスや歯間ブラシを活用する
歯ぎしりや食いしばりをそのままにしない
生活習慣を見直す

毎日歯を磨いているのに、虫歯や歯周病になったという方は多いのではないでしょうか。
もしかすると、「歯ブラシ1本だけで歯磨き」をしていませんか？
残念ながら、歯ブラシだけの歯磨きだけでは、虫歯や歯周病を予防できるとはいえません。

特に、歯と歯の間の汚れは歯ブラシの毛先が届きにくいため、落とせる汚れは6割程度なのです。
デンタルフロスや歯間ブラシを使うことで8割程度まで除去率があげることができますので、歯ブラシと併用して汚れをしっかり落としましょう。
参考：神奈川県「今日から始めるすき間ケア」より

虫歯と歯周病は、「生活習慣病」でもあります。
栄養バランスの取れた食事と適度な運動を心がけ、毎日十分な睡眠をとってストレスを溜めないようにすることも大切です。

ケイ歯科クリニックの予防歯科

虫歯や歯周病を予防するためには、ご家庭での毎日のセルフケアと歯科医院で行うプロケアの併用が大切です。
定期的に歯科でメンテナンスを受けることで、お口のトラブルを早期発見することができます。

また、セルフケアでは落とせない汚れを落とすのもプロケアの役割です。
当院では「PMTC」や「3DS」で、お口の健康維持をサポートしています。

PMTC

PMTCとは「Professional Mechanical Tooth Cleaning」の略称で、「専門家による機械を使った歯の清掃」ということです。
歯科衛生士がポリッシングブラシ、ラバーカップなどとよばれる機械を使って、歯の表面についた歯垢を落とし、磨き上げます。
歯周病の原因となる歯垢（プラーク）は、歯磨きで除去できますが、歯と歯の間にこびりついた歯垢や、細菌が繁殖してできた「バイオフィルム」は取り除くことが難しいのが現状です。
このような汚れをしっかりと除去するのが「PMTC」です。

普段の歯磨きでは除去できない汚れをとることで、「スッキリした」と感じていただけます。
歯の表面を磨き上げてツルツルに仕上げるので、汚れが再付着しにくくなり、虫歯や歯周病の予防にもつながるのです。

また、「PMTC」では、歯面を磨き上げてから、細菌の活動を抑え歯質強化に効果のある高濃度のフッ素を塗布します。
フッ素によって、虫歯の原因菌の働きは弱まり、酸を作り出す力が抑えられます。
さらに、フッ素には唾液に含まれるカルシウムやリン酸を歯の表面に取り入れる「再石灰化」を促進する働きもあり、虫歯予防に効果的です。

ただし、「PMTC」では、歯垢が固まったできた歯石を完全に除去することは難しいので、歯周病の治療として行うのではなく、虫歯や歯周病の予防、または治療後のメンテナンスとして行います。

3DS（除菌療法）

3DSは「Dental Drug Delivery System（デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム）」を略したものです。
お一人お一人のお口に合わせて製作したトレーに消毒薬を流し込んで、歯に装着することで、歯の表面から細菌を取り除く方法です。
3DSは虫歯や歯周病の予防に効果があるとされています。
また、口臭の予防にも効果が期待できます。
ただし、歯の表面にバイオフィルムがある状態で薬剤を塗布しても内部には浸透しません。
そのため、「PMTC」でバイオフィルムを除去してから「3DS」を行うことで、より高い効果が期待できます。

西宮市の「ケイ歯科クリニック」は、阪急今津線甲東園駅より徒歩7分、中津浜線沿いで駐車場も完備していますので、電車でもお車でも通院しやすい歯科医院です。
仕事や育児・家事などでに追われて、歯医者へ行く時間がないという方もいらっしゃるでしょう。
けれども、忙しい方こそ、定期検診に来て、お口の病気を予防することが大切だと考えています。
虫歯や歯周病は進行すると自然に治ることはなく、発見が遅くなるほど治療にかかる時間も費用も必要となるのです。

当院では、お一人お一人に合わせた予防ケアをご提案しています。
私たちと一緒に大切な歯を残して、健康な日々を過ごしましょう。
平日夜間は19時半、土曜は16時まで診療しています（2024年2月現在）ので、ご家族皆さまでお越しください。