こんにちは。西宮の歯医者「ケイ歯科クリニック」です。
「毎日歯磨きをしていてもむし歯になる…」「治療したのにむし歯が再発した…」そのようなお悩みを抱えている方は多くいらっしゃいます。
確かに、むし歯予防の基本は毎日の歯磨きですが、単純に歯磨きをしていればむし歯を防げるわけではありません。
むし歯の発生するメカニズムを知り、正しく対処することがむし歯予防への近道です。
むし歯は4つの要素が重なる時に発生します。
むし歯は「ミュータンス菌」と呼ばれるむし歯菌(細菌)が出す酸で歯のカルシウムやリンを溶かすことによって発生します。むし歯菌は歯の表面についた歯垢(プラーク)に住みつき、お口の中の糖を栄養として酸を出す特性があります。この酸によって歯の表面が溶けだし、むし歯が発生してしまうのです。
ミュータンス菌がお口にいるかいないかで、むし歯になりやすい人・なりにくい人に分かれます。そもそもミュータンス菌は生まれたときにはお口の中には存在しません。
主に生後10か月から36か月ほどの間で保護者などから感染することによって、お口の中に住み着きます。幼少期にミュータンス菌の感染がなかった人は虫歯になりにくいとされています。そのため最近では、むし歯予防のため《子どもと同じ箸を使わない》《子どもにキス禁止》といった指導が保護者に対して行われています。特に母親からの母子感染が多いといわれています。お母さんのお口の中の状態が悪いと、子供にも影響するので、気を付けて口腔内の清掃をしなければいけません。
食べものに含まれている糖は、むし歯菌の大好物。糖とは、砂糖、ショ糖、スクロースなど身近な食品ほとんどに含まれています。むし歯菌は糖を分解して非常に強力な酸を作ります。このことを「発酵」と呼びます。発酵により口腔内が酸性になると歯からリンやカルシウムが溶けだします。これを脱灰とよびます。しかし、唾液が酸や糖質を洗い流し、酸を中和し口腔内を中性に戻します。さらに唾液中のリンやカルシウムで少し溶けてしまった歯の表面を修復することができます。これを再石灰化とよびます。日々の食事で糖質を摂取してもむし歯にならず、健全な歯でいられるのはそのためです。
ところが、糖質を含む間食(飲み物を含む)を頻繁に摂取していると、再石灰化のスピードが脱灰に追いつけなくなり、歯が実質的に欠け始めます。そのため、日頃から飴やガムを食べている、仕事をしながら砂糖入りのコーヒーやジュースをちびちび飲んでいるなど間食の多い方や、甘いおやつが習慣化している方は、むし歯になりやすい傾向があります。
対策としては、間食回数を減らす、そして甘味料(糖)を代用甘味料に置き換えることが有効です。
例えば、1日の中でペットボトル1本分(500㎖)のジュースなどを飲まれる方は、ちびちびと複数に分けて飲むのではなく、時間を空けて2~3回程度までに分けて飲むようにし、口腔内に糖分がある時間を極力短時間にして、再石灰化の時間を取るようにするとむし歯のリスクは格段に低下します。
そして代用甘味料とは、砂糖の代わりに使用する甘み物質の総称です。これらは、甘みがあってもむし歯の原因にはなりません。また、カロリーも低いため糖尿病の方やダイエット中にもおすすめです。
甘味料は糖質甘味料と非糖質甘味料があり、原料が糖質から作られていないものを非糖質甘味料と呼びます。糖質甘味料には、お馴染みの砂糖をはじめとしてたくさんの種類がありむし歯の原因になるものが多いです。
しかし、糖質甘味料の中には糖アルコール甘味料と呼ばれるものがあり、これはむし歯の原因にはなりません。
非糖質甘味料と糖アルコール甘味料が共にむし歯の原因にならないのは、むし歯菌が糖を分解したときに酸を作り出さないからです。
糖質甘味料(むし歯の原因になる)の代表例
砂糖、ショ糖、ブドウ糖、果糖、オリゴ糖、乳糖
非糖質甘味料(むし歯の原因にならない)の代表例
ステビア、アスパルテーム、スクラロース、サッカリン、アセスルファムカリウム
糖アルコール(むし歯の原因にならない)の代表例
キシリトール、ソルビトール、エリスリトール
普段摂取している食品の成分を1度確認してみましょう。もし、砂糖入りの物をたくさん摂取しているようなら、代用甘味料をうまく使用することでむし歯のリスクが格段に下がることでしょう。
歯垢が歯の表面に付着している時間が長いほど細菌が増殖し、むし歯を促進させてしまいます。むし歯を作らないためには、食後の歯磨きがポイントです。食べものを摂取してから歯を磨くまでの時間が短いほど、むし歯を防ぐことができます。
また、歯に付着しやすく、口腔内に残りやすい(詰まりやすい)ビスケット・キャラメルなどは、ダラダラ食べていなくても残っている間は、口腔内は酸性になるので注意が必要です。
歯の質は、お薬の影響(鼻炎薬や抗うつ剤、また多剤服用などで唾液量が減少します)や遺伝的な要素、年齢(生えたての歯は歯質が弱く、年齢を重ねると唾液量が減少します)や唾液の質などによって個人差があり、エナメル質形成不全症などで生まれつきむし歯になりやすい人もいます。特に歯質が弱い方は、歯の質を高めるフッ素塗布がおすすめです。
日々の歯磨きでのフッ素を応用したり、歯科医院での高濃度のフッ素を塗布することも非常に有効です。
むし歯から歯を守るためには、糖分の摂取を控えること、食事のあとは時間を置かずに歯磨きをするなどの工夫が大切です。
このように生活習慣を少し見直すだけでも、むし歯のリスクはグッと軽減します。
また、歯の健康を維持するには、歯磨きを主体としたセルフケアだけでなく、定期的な検診も大切です。
定期検診では、効率的な歯磨きのアドバイスに加え、セルフケアでは取りきれない歯垢を丁寧に除去します。
また、万が一、むし歯が見つかっても早期治療ができるため、大掛かりな治療に発展することはありません。
定期検診を習慣化して、むし歯予防に努めましょう。
ケイ歯科クリニックは、西宮の『甲東園駅』より徒歩7分、西宮『仁川駅』より10分のところにあります。西宮をはじめ、宝塚、伊丹、川西、芦屋からも沢山来院していただいています。常時6大の駐車場もありますので、ぜひ気になる方は、ケイ歯科クリニックにまで。