皆さまこんにちは。西宮市の歯医者「ケイ歯科クリニック」です。
歯周病は自覚症状が少ない厄介な病気です。むし歯のように痛みが出にくいため、本人が気づかないうちに進行します。やがて歯がぐらつき、最終的には抜け落ちてしまいます。
さらに恐ろしいのは、お口の中の病気だけではないということ。近年の研究によると、心疾患や脳梗塞など全身疾患と関わりが深いことが明らかになっています。
歯周病には中高年の90%が罹患しており、決して他人事ではありません。
初期症状を見逃して歯周病が悪化してしまうと、心臓・脳などの重要な器官に悪影響を与えてしまい、非常に危険です。
今回は歯周病と全身疾患との関係について解説します。気になる症状がある方は、歯周病の治療を急いだ方がよいかもしれん。
目次
歯周病はお口の中の歯垢や歯石に潜む細菌による感染症です。歯周病を引き起こす「歯周病菌」が歯ぐきに炎症を起こします。
その際、炎症によって作り出される毒素がお口の中の血管を通じて全身を巡り、さまざまな病気の引き金になるのです。
心疾患や脳梗塞、糖尿病や低体重児のほか、高齢者に多い誤嚥性肺炎の原因にも歯周病が関与しています。
以下にて、歯周病と関わりが深い疾患をご紹介します。
歯周病菌が血中に侵入することで血栓を誘発し、動脈硬化を促進させます。その結果、血管が詰まりやすくなったり、塞がってしまうことで心疾患や脳梗塞を起こしやすくなります。
歯周病の人はそうでない人と比べて2.8倍脳梗塞になりやすいといわれています。
歯周病関連細菌や歯周炎により酸性された炎症性サイトカインなどが動脈内膜に侵入し、血管内皮細胞を侵害して動脈硬化を悪化させるのではないかと考えられています・
また、ある歯周病菌は血小板の凝集機能を持っており、凝集した血小板がはがれ、血流に乗り血栓を引き起こし、動脈梗塞を引き起こす可能性も考えられています。血圧・コレステロール・中性脂肪が高めの方は、歯周病の予防や治療はより重要になります。
また心不全や心臓の弁置換手術後の高齢者では、血管内に入った口腔細菌が心内膜や人工弁に付着、繁殖し、感染性心内膜炎を発症します。本疾患で死亡した患者の内膜を培養すると、原因菌の4割が口腔細菌であったという報告があるので、心疾患をもっていたり、免疫力の低下した高齢者では、口腔衛生管理に注意する必要があります。
妊娠している女性が歯周病に罹患している場合、口の中の歯周病細菌が血中に入り、胎盤を通して胎児に直接感染するのではないかといわれています。その危険率は7倍ともいわれ、タバコやアルコールよりもはるかに高い数値なのです。歯周病菌による炎症物質の刺激によって陣痛と似た収縮運動が起こり、陣痛を早めてしまう可能性があります。歯周病に罹患している妊婦さんは、そうでない方と比べて早産や低体重児のリスクが高くなることが指摘されています。
誤嚥性肺炎とは、食べ物や遺物を誤って期間や肺に飲み込んでしまうことで発症する肺炎です。普段肺や気管は咳をすることで異物が入らないように守っていますが、老化が進むと肺や器官の機能が衰えることで異物を排出しづらくなります。その結果食べものと一緒に歯周病が肺に入り込むことで、肺炎を引き起こします。特に脳血管障害のみられる高齢者に多くみられます。
高齢者の肺炎の70%いじょうが誤嚥に関係しています。
誤嚥性肺炎の原因となる細菌の多くは歯周病菌であるといわれており、予防には歯周病のコントロールが重要です。
歯周病は以前から、糖尿病の合併症の一つといわれてきました。
歯周病菌が血中に入ることで、血糖値をコントロールするインスリンの働きが抑制され、糖尿病が悪化すると言われています。また、糖尿病と歯周病は相互作用しており、どちらかに罹患していると、もう一方のリスクも高まることが指摘されています。
骨の密度が減少する骨粗鬆症ですが、歯周病に起因する骨吸収がおこるとそれと比例して骨粗鬆症も悪化することが近年の研究であきらかになっています。
骨粗鬆症の9割が女性です。閉経後骨粗鬆症の患者さんにおいて、歯周病が進行しやすい原因として最も重要と考えられているのが、エストロゲンの欠乏です。
閉経後の女性は、たとえ歯周炎がなくても、エストロゲンの減少により、歯を支える歯槽骨ももろくなってしまいます。歯周病にかかりやすく、広がりやすい状態にあるといえます。
メタボリックシンドロームになると多く発生するサイトカインとよばれるホルモンが、歯周病になった際に発生するホルモンと同一であることがわかりました。
内臓脂肪が多いとサイトカインが多く分泌され、動脈硬化に繋がる原因になることが発見されました。
歯周病によりサイトカインが分泌されると、メタボによる動脈硬化のリスクが高まります。メタボにより身体の抵抗力が落ちると歯周病があっかするため、お互いに症状を加速させるという指摘もされています。
歯周病は歯を支える骨を溶かしてしまう病気ですが、本当に恐ろしいのは全身の健康に関わるということです。
今回ご紹介した心疾患や糖尿病、誤嚥性肺炎、胎児への影響のほかにも、メタボリックシンドロームや認知症など、さまざまな疾患と関連があると言われています。
歯周病は単なる「歯を失う病気」ではなく、命の危険もある病気であるということを理解して治療に取り組む必要があります。
西宮市の歯医者「ケイ歯科クリニック」では、的確な検査・診断のもと患者さまの歯周病の進行度合いに応じた治療を徹底しています。
自覚症状が少ない疾患だからこそ、定期的なチェックが大切です。手遅れになる前に、一度検診にいらしてください。
ケイ歯科クリニックは、西宮の『甲東園駅』より徒歩7分、西宮『仁川駅』より10分のところにあります。西宮をはじめ、宝塚、伊丹、川西、芦屋からも沢山来院していただいてます。常時6大の駐車場もありますので、ぜひ気になる方は、ケイ歯科クリニックにまで。