インビザライン治療は、透明なマウスピース型矯正装置をお口に装着することで、歯に圧力をかけて歯列を整えます。
インビザライン治療をはじめとするマウスピース矯正は、ワイヤーを使った矯正治療よりも、痛みが少ないとされています。そのため、矯正治療中の痛みを心配されている方にも注目されている治療法です。
とはいえ、インビザライン治療中に痛みを感じるタイミングもあります。
ここでは、どのようなときに痛みがあるのかと、対処法についてお話しします。
目次
まずはじめに、マウスピース矯正治療がワイヤーを使った矯正治療よりも痛みが少ないとされているのには理由があります。
マウスピース矯正治療では、透明なマウスピース型矯正装置をお口に装着します。マウスピース型矯正装置は歯全体を覆うように設計されていて、装着することで歯全体に圧力をかけて少しずつ歯を動かすのです。
1枚のマウスピース型矯正装置で動かすことができるのは、約0.25mmほどで、1〜2週間ごとに次の段階のマウスピース型矯正装置に交換します。
ワイヤーを使った矯正治療とくらべると、歯が動くスピードがゆっくりとしている分、歯や歯ぐきに負担がかからず痛みや炎症が抑えられるのです。
また、ワイヤー装置のように、接触によってお口の中の粘膜を傷つけてしまうこともありません。そのため、ワイヤーを使った矯正治療とくらべて、痛みが少ないとされています。
インビザライン治療は、痛みの少ない治療とされていますが、次のような場合に痛みを感じることがあります。
はじめてマウスピース型矯正装置を装着したときに、痛みを感じる方は多くいらっしゃいます。マウスピース型矯正装置によって歯や歯ぐきが圧迫されるのが、痛みの原因です。
インビザライン治療では、1〜2週間のサイクルで次の段階のマウスピース型矯正装置に交換します。マウスピース型矯正装置は、少しずつ違う形に設計されているため、交換したばかりのときには、痛みや違和感が出やすくなるのです。
インビザライン治療では、1日20〜22時間以上、マウスピース型矯正装置を装着する必要があります。
この時間を守っていただかなければ、計画通りに歯が動きません。
マウスピース型矯正装置はご自身で簡単に取り外しができるため、ついつい外したままにしてしまう方もいらっしゃいますが、外している時間が長くなると、歯は元の位置に戻ろうとします。
歯が戻ってしまった状態で、マウスピース型矯正装置を装着すると、装置と歯の位置のズレが大きくなっていて、強い圧力を感じます。
インビザライン治療では、より効果的に歯を動かすために、歯の表面にアタッチメントとよばれる小さな突起物を取り付けることがあります。
マウスピース型矯正装置を装着しているときは、アタッチメントは覆われているため粘膜と接触することはありません。食事のためにマウスピース型矯正装置を外したときに、アタッチメントと舌や粘膜が接触して痛みが出る場合があります。
インビザライン治療では、痛みが生じるケースはそれほど多くはありません。
また、痛みがあっても一時的なものですぐに落ち着くケースが大半です。痛みが続くようであれば、我慢せずに歯科医院にご相談ください。
痛みの原因にもよりますが、次の方法で改善される可能性が高いと考えられています。
十分に歯が動いていない状態で、次の段階のマウスピース型矯正装置に移行してしまうと、痛みが強く出る場合があります。
次の段階のマウスピース型矯正装置に交換した際に、痛みが続くようであれば一度、前の段階のマウスピース型矯正装置に戻す場合があります。
その場合は、ご自身で判断するのではなく、歯科医院に相談してから行うようにしてください。
アタッチメントが粘膜や唇の裏などに接触して痛みが出ているときは、アタッチメントの角を丸めることで改善される場合があります。
また、矯正用ワックスを丸めてアタッチメントを覆うように取り付けるという方法があります。
マウスピース型矯正装置は、患者様のお口にフィットするように設計されて、研磨されて形を整えています。
研磨が不足していると、お口の中の粘膜と接触して、粘膜を傷つけてしまう場合があります。同じ場所がすれることで痛みや口内炎が続くときは、紙やすりで磨いて形を調整できますので、ガマンせずにご相談ください。
装着時間が短いと、計画通りに歯が動きません。
歯が動いていない状態で、次の段階のマウスピース型矯正装置に交換すると、歯とマウスピース型矯正装置のズレが大きくなるため、痛みが強く出ることがあります。
マウスピース型矯正装置は、食事や歯磨き、マウスピース型矯正装置のお手入れをするとき以外は外さないのが基本です。
時間を守って装着することで、予定通りに治療を進めることが可能となり、マウスピース型矯正装置を交換したときの痛みも抑えられます。
痛みが強いときは、医師に相談して、痛み止めを処方してもらいましょう。
歯科医師の指示に従って、痛み止めを服用すると2〜3日で痛みがおさまるケースがほとんどですが、続くようであれば、再度受診してください。
歯が動いているときは、少しの刺激も痛みと感じてしまう傾向にあります。なぜなら、歯を移動させている間は、神経や血管が圧迫された状態になっているからです。
特に、マウスピース型矯正装置を交換した直後は、痛みが強く出ることがあります。食べものを咀嚼(そしゃく)することも刺激となりますので、痛みが出ているときはよく噛む必要がある食品は避けた方がいいでしょう。
固い食べものは避けて、おかゆやうどんなどやわらかいものを選ぶのがおすすめです。
矯正治療はほかの治療よりも、治療期間が長くなる傾向にあります。
矯正治療中も負担なく過ごせるように、しっかりとサポートしますので、痛みに心配がある方はご遠慮なくご相談ください。
ワイヤーを使った矯正治療とくらべて痛みは少ないものの、マウスピース型矯正装置を使った矯正治療でも、歯を動かす際には痛みが生じるものです。
痛みがあるときは、無理をせずにゆっくりとお過ごしください。
痛みは矯正治療中ずっと続くわけではありません。
装置を装着した際の痛みは、次第に慣れて薄れていく方がほとんどです。
痛みを抑えるためにも、適切な装着方法で、時間を守って装着しましょう。
痛みが続く際は、食事のとり方や日常の過ごし方についてのアドバイスも行いますので、お一人で悩まずにご相談ください。
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