「インプラント治療に興味があるけど費用面で合わない」と感じている方はいらっしゃいますか?
たしかに、インプラント治療は基本的に保険が適用されないため、治療費の負担は大きくなります。
インプラント治療では外科手術を伴いますが、生命保険などの手術給付金の受け取り対象にはなっていないため、生命保険で補うことも難しいでしょう。
けれども、インプラント治療費用は、医療費控除の対象です。
確定申告で申告すれば、納めた税金の一部が還付されます。
ここでは、インプラント治療費用の医療費控除についてお話しします。
参考:国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」より
目次
インプラント治療は、基本的に保険が適用されない治療です。
費用は全額自己負担となり、インプラントと同じように失った歯を補う入れ歯やブリッジ治療とくらべても、費用負担が大きい傾向にあります。
そのため治療を選択できないという方もいらっしゃるでしょう。
インプラント治療を成功させるためには、専門的な知識や高度な技術はもちろんのこと、先進的な医療機器の導入が必要です。
そのため、どうしても治療費用は高くなります。
ですが、インプラント治療は医療費控除の対象です。
医療費控除の制度を使うことで、費用負担を減らすことができます。
「医療費控除」の手続きというと、「わからない」「複雑そう」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、医療費控除についてお話しします。
医療費控除とは、1年間に支払った医療費が一定の基準額を超えた場合、確定申告を行うことで、一定の基準を超えた分の医療費が、課税対象の所得から控除されます。
つまり、医療費の総額が基準額を超えたら課税対象額が低くなり、納めなければいけない税金が少なくなるのです。
申請をすることで、すでに収めた所得税や住民税の一部を還付という形で受け取ることができます。
医療費控除の対象となるのは、基本的にすべての人です。
控除を受けるための、条件はいくつかあります。
1年間に支払った医療費の合計が、
の場合と決められています。
たとえば、年間の所得が100万円の場合、総所得金額の5%以上と決められているので、
100万円×0.05=5万円となり、5万円以上の医療費を払った場合に、医療費控除の対象となるのです。
医療費を年間10万円以上使った場合と認識されている方が多いかと思いますが、収入によっては10万円以下でも対象となりますので、ご自身がどちらにあてはまるかチェックしてください。
医療費というのはどこまでが含まれるのでしょうか。
治療にかかった費用、薬代は、医療費としてお考えください。
医師や看護師に渡した個人的な謝礼や、美容のための処置は医療費とは認められません。
また、通院のために利用したタクシー料金は、医療費に含まれます。
タクシー料金だけでなく、公共交通料金を利用した場合も医療費に含まれますので記録を残しておきましょう。
インプラント治療で医療費控除の対象になるのは、
などの費用です。
治療費をクレジットカードで払った場合やデンタルローンを組んだ場合も対象となります。
反対に、インプラント治療で医療費に含まれないのが、
といったお金です。
参考:国税庁「No.1122 医療費控除の対象となる医療費」より
では、実際に医療費控除の金額を計算してみましょう。
まず、1年間に支払った医療費を合算します。
歯科医院での医療費だけではなく、ほかの医科を受診した際の費用もすべて足してください。
ご家族の医療費も合算可能です。
次に医療費の合計から、
を引いた金額が医療費控除の金額となります。
医療費控除額が還付されるわけではなく、医療費控除額に所得税率をかけた金額が還付されます。
参考:国税庁「医療費控除を受ける方へ」より
生命保険などに加入していて、入院や手術に対する保険金を受けた場合は全体の医療費から引く必要があります。
インプラント手術の場合は、手術給付金が出ることは基本的にはありません。
そのほかの病気またはケガなどで保険金が出ている場合は、そちらを引いてください。
保険金の受給額が医療費の総額を上回っていれば、医療費控除の制度は利用できません。
基準額は所得によって異なります。
所得が200万以上ある方は一律10万円、200万未満の方は、総所得の5%が基準額ですので、医療費の総額から引いてください。
上記の数字をあてはめて出た金額が、医療費控除額です。
医療費控除額に所得税率をかけたものが還付金の金額です。
所得税率は国税庁のページでご確認いただけます。
医療費控除額は最大で200万円と決まっています。
例えば、
・所得500万円の方でインプラント治療を含めた医療費が50万円のケース
医療費の合計金額は50万円、基準額は所得が200万円以上あるため10万円です。
医療費の合計50万円-保険受取額0万円-基準額10万円=医療費控除額40万円
還付金額=医療費控除額40万円×20%(所得500万円の場合の所得税率)となりますので、還付金額は8万円です。
・所得150万円の方でインプラント治療を含めた医療費が40万円のケース
医療費の合計金額は40万円-保険受取額0万円-基準額7.5万円=医療費控除額32.5万円
還付金額=医療費控除額32.5万円×5%(所得500万円の場合の所得税率)となりますので、1万6250円です。
参考:国税庁「No.2260 所得税の税率」より
医療費控除を申請する上で大切なことをまとめました。
医療費控除を受けるためには、確定申告にて申告する必要があります。
確定申告は毎年2月16日から3月15日までに実施されますので、忘れないように期間中に申告書を提出しましょう。
提出は所轄の税務署に持参するほか、郵送やインターネット(e-TAX)でも受けつけていますので、ご都合のよい方法をお選びください。
参考:国税庁「給与所得者(年末調整済)の記載例」より
参考:国税庁「確定申告書等の様式・手引き等(令和4年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)」より
インプラントの費用の支払いにデンタルローンやクレジット払いを利用する方もいらっしゃるでしょう。
そのような場合でも、医療費控除は受けられます。
ただし、医療費には金利や手数料は含まれません。
医療費控除は医療費を払った翌年の確定申告で申請を行うのが基本です。
もし忘れてしまった場合は、過去5年間分までさかのぼって申請し、還付金を受け取ることができます。
レシートや医療明細書、領収書などは、保存しておくのがおすすめです。
以前は申告の際にレシートや領収書、明細書等の提出が必要でした。
現在では、これらの提出は不要となっていますが、自宅にて5年間の保存が義務付けられています。
インプラント治療は、費用負担は大きいものの、メンテナンス次第で長くお使いいただけて、残っている歯を健康な状態で保つことができます。
天然の歯を取り戻したような感覚で食事や会話も楽しんでいただけますので、長期的に見るとコストパフォーマンスのよい治療という考え方もできます。
当院では、治療にかかる費用をわかりやすくお伝えしていますのでどのようなことでもご質問ください。
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